400本塁打超えの強打者がポツリと言った「基本的にバッティングは嫌いなんです」・中村紀洋さん プロ野球のレジェンド「名球会」連続インタビュー(45)
▽150キロの球を打つのは面倒くさい (ポジションは)サードのこだわりが、すごく強かったんです。09年は一塁手に回る情報が出まして、森野将彦をサードで使いたいんかなと。僕が中日に入った時も内野手の森野が外野に回っていた。いずれは内野だろうなと。でも、僕自身がまだファーストは嫌だ、そういう年齢じゃないと、こだわっていました。その時に楽天の野村克也監督から連絡をいただいて「うちに来い。サードで使うぞ」って言われて移籍したんです。ずっとサードを守りたかった。 僕は守備が大好きだったんですよ。守備練習をしていたいんです、ずっと。来た球を捕りゃいい。そっちの方が楽しいですよね。基本的にバッティングは嫌いなんです。150キロとか打つの面倒くさいでしょ。今は160キロの投手もおるわけじゃないですか。それを打ち返さなあかんのですよ。そんな大変な仕事、ないんです。大谷翔平のスイーパーとか大変ですよ、打つ方は。でも、打たないとしょうがなかった。バッティングは目立つから、みんなの目がいくんです。僕の考えでは、守備がうまくないと試合に出られないと思ったんですが、打撃が良ければ守備が下手でも使ってくれてたんですよ。
(13年に)DeNAで400本塁打をぎりぎり超えましたね。良かったです。2千安打と400本は、なかなかいないやろうなと。プロ野球の歴史の中で20人以内に入れる。通算成績を見たら、よう頑張ったなと思います。 × × × 中村 紀洋氏(なかむら・のりひろ) 大阪・渋谷高からドラフト4位で1992年に近鉄入団。2000年に本塁打と打点の2冠。01年は2年連続打点王でリーグ優勝に貢献した。オリックスとの合併で近鉄が消滅し、05年は米大リーグのドジャースに挑戦。翌年に日本へ戻り、07年は中日で日本シリーズ最高殊勲選手に選ばれた。名球会入り条件の日米通算2千安打は13年5月に達成。プロ野球通算2101安打、404本塁打。1973年7月24日生まれの51歳。大阪府出身。