車窃盗の最新手口…CANインベーダーに変わる“ゲームボーイ”とは?バイク窃盗も急増
■1時間弱の犯行か? 発信機を追うと
盗まれた車が置かれていたのは玄関前の駐車場でした。一体、どのようにして盗まれたのか?被害者は、取り付けてあった6台の防犯カメラの映像を確認。すると、そのうちの1台に「(午前)2時半ぐらいに男の人が3人歩いてきて、車を確認している様子とかがあって」と被害者は話します。 午前2時23分。窃盗犯が南側の道路から現れます。左下の黒い車が盗まれた車です。すると、突然、真っ暗に! 自動車盗難の被害者 「あの防犯カメラが(粘着)テープで目隠しされた防犯カメラですね。ここの室外機に足をかけてのぼって、こう貼ったという」 犯行の様子を隠すためなのか、防犯カメラを覆う犯人が映っていました。それからおよそ30分後、北側の路地を映した防犯カメラには、周囲を気にしながら戻ってくる窃盗グループの姿がありました。1人はかばんを抱えています。 窃盗グループがカメラから消えた直後、逃げるようにいったんその場を離れます。一体、何が? 3人が走り去った直後、テラスの防犯カメラには自転車に乗った人の姿が映っていました。それでも諦めません。午前3時すぎに再び現れます。そして、10分ほどが経過。 自動車盗難の被害者 「車のエンジンがかかってすぐ出て行くという。なので、1時間弱ぐらいの犯行だと思うんですけど」 愛車は一体どこへ向かったのか?実は、盗まれた車には、防犯対策として発信機を付けていました。最後の発信地は、直線距離にして西に2.6キロの地点。被害者の男性は現場に行きますが、何の痕跡も残されていませんでした。 しかし…。 自動車盗難の被害者 「西側の方に行って、ゴルフ場の防犯カメラに映ってたんじゃないかっていう話は(知人から)聞きました。刑事さんの話だと、千葉方面に行っているんじゃないかということは言っていた」
■猛威を振るう“CANインベーダー”
盗まれた車は、2023年の盗難被害で2番目に多い車種。その理由について、専門家はこのように話します。 自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子氏 「悪路走破性が高く、オフロード車の性能が高い。昔からすごく盗まれている」 なぜ窃盗犯はカメラを覆ったのか。手口を隠した理由について専門家はこう指摘します。 加藤氏 「いま猛威を振るっているCANインベーダーという方法がある」 CANインベーダーは、車の制御をつかさどる通信システムを乗っ取る手口。盗難被害が多い車には、この方法が多く使われているといいます。2024年5月から、警察はCANインベーダーを使用した窃盗グループの指示役とみられる男を逮捕するなど対策を強化しているのですが、またもや、新手の窃盗が出現していると専門家は警鐘を鳴らします。 加藤氏 「一番、いま話題なのが“ゲームボーイ”というスペアキーと同じ機能を持つ小さな機械。車から(キーに)出ている信号をキャッチしてスペアキーを作ってしまう」 価格は、1台あたり170万円から510万円ほど。犯罪に悪用されている可能性も指摘されています。しかし、加藤さんによると、ゲームボーイに対応するセキュリティーもあるということです。では、盗まれた高級車はどこに行くのか? 加藤氏 「中東とか、UAEを経由してロシアに行くとか。ロシアが私は非常に需要があると思っています」