奄美大島で太陽光発電の売電事業 停電時も電力安定供給 丸紅、九電が合同会社
再生可能エネルギーの普及や電力の安定供給に向けた事業などを展開する鹿児島県外の2社が27日、近く合同会社を設立し、2025年4月から奄美大島で太陽光発電の長期売電事業を始めると発表した。発電設備は蓄電池併設型。停電発生時も安定した電力を供給できるほか、将来的には火力発電への依存度低下も期待できるという。 新会社は蓄電池を遠隔で制御する調整機能付き売電契約を行う九州内離島初の事業会社で、丸紅(本社東京都)と九電みらいエナジー(本社福岡県)が設立する。会社名は、奄美やねでんソーラー合同会社。住宅や事業所、公共施設の屋根に太陽光発電設備を整備し、発電した電気を販売する。 丸紅の担当者によると、奄美大島内の電力供給が火力発電に依存し、脱炭素に向けた取り組みも課題となっていた現状などを踏まえ、22年に実証事業を開始した。島内ニーズなどを確認した上で、既に島内の数カ所に太陽光発電設備と蓄電池を設置している。 新会社では30年度までに、島内で一般家庭約4千世帯分に当たる約10メガワットの太陽光設備導入を目指す。両社は「奄美大島での再生可能エネルギーの主力電源化と災害時のBCP(事業継続計画)対策に貢献できると考えている。地域社会の持続可能な発展に寄与し、同様の課題を抱える他地域にも展開していきたい」としている。