倉庫に入り込んだクマが捕獲される 居座った倉庫にはクマが逃げようとした跡が 秋田・横手市
秋田朝日放送
27日秋田県横手市雄物川町の介護施設に併設された倉庫の中に入り込んだクマは市が設置した箱わなに入っているのが確認されました。捕獲されたクマは体長130センチのメスだったということです。居座った倉庫ではクマが逃げようとしたと見られる跡が残っていました。 1頭のクマが横手市雄物川町にある介護施設の倉庫に入り込んだのは27日の午前9時すぎでした。入り込む瞬間を巡回していた横手市の職員が撮影していました。クマはそのまま倉庫の中に居座り、膠着状態が続きました。 市によりますと、27日午後6時すぎになって倉庫の前に置かれた箱わなのセンサーが反応したということです。その後、警察や猟友会が箱わなにクマが入っているのを確認しました。 28日朝から市や県のほか警察や猟友会が集まり、箱わなにいるクマに麻酔を打って対応を協議しましたが、居座りから約23時間後の午前7時54分、移動中に覚醒するなどのリスクがあるとしてクマはその場で駆除され、トラックで運び出されました。駆除されたクマは体長130センチで体重は82キロのメスだということです。 施設の関係者によりますと、空いていた入り口から入り込んだクマは倉庫の奥の方へと進んだということです。その際この倉庫と扉1つで隔てられた作業場にいた職員がクマと鉢合わせました。職員は窓から救助され無事でした。 クマが運ばれた後倉庫の中では職員が後片付けに追われていました。倉庫の中に保管されていたコメなどの食料は無事でしたが、ところどころに荒らされた形跡があり扇風機や蛍光灯などの備品が壊されていました。窓には逃げようとしたのかうっすらとクマの手の跡も残されていました。 周辺では8月電機設備会社の防犯カメラに住宅のすぐそばを横切るクマ1頭の様子が収められていました。近くに住む人はクマが目撃されたのは2024年が2回目だと話します。現場近くの雄物川高校では28日は臨時休校とし、29日から通常通り授業を再開するということです。今回のクマの居座りによる人への被害はありません。 クマはなぜこの倉庫に入り込んでしまったのか。日本ツキノワグマ研究所の米田一彦さんによると、クマは包囲されていると認識すると興奮状態でとっさに近くの身を隠せる場所を探すということです。今回のケースはクマは山に戻ろうという意識もあっただろうけれども逃げる途中に扉が空いている入口を見つけて、とにかくそこに逃げ入って身を隠そうとしたのだろうと話しています。 米田さんはクマが倉庫の中に潜むケースはよくあることとしていて、可能な限り扉は開けっ放しにしないでクマなどの侵入をさけるよう話しています。そして、米田さんはクマのえさとなるような甘い食べ物や漬物といった強い香りがする食べ物を外に置かないことや、小屋の中に置いていたとしても適切に管理をするよう呼びかけています。
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