【更年期、有森裕子さんの場合/インタビュー後編】不調を乗り越えられたのは、「知識」という特効薬のおかげ
今では「更年期は男女とも当たり前に通る道」「更年期こそ人間の証明」と訴え続ける有森裕子さん。そこには情報や知識がなく、一人で苦しんでいた頃の体験が生かされていた。現在も完全に症状がないわけではないが、毎日を笑顔で送るtipsをたくさん持っている。
ホットフラッシュも軽減できた! 「知る」ことの大切さ
婦人科で処方された低用量ピルにより、有森さんがあれだけ悩んでいたホットフラッシュはすぐに改善。ホルモンの波がコントロールされた結果ではあるが、本人の分析はもっと深いものだった。 「この時期の私の体は更年期ーー。そんなふうに不調の原因がわかったことで、それを受け入れて、自分に起きていることへの順応性もできた気がします。そのせいかホットフラッシュはもちろんメンタルもずいぶん落ち着きました。 『何が何だかわからない』ということが一番の不安要素で、私の更年期においてはまず知ること、理解することが大事なんだということを、自分の中に落とし込んだんです。結局、それが私のホットフラッシュの解消法でした。だからこそ低用量ピルも3カ月でやめたんです。飲まなくてもなんとかなる自信があって」 現在でもまだホットフラッシュが多少はあるという有森さん。不安に襲われることもあるが、今は「あ、更年期だもんね」と受け入れるだけでとても楽になるのだそう。 「将来に対する不安とか、できていたことができなくなることへイライラを感じたりすることもあります。以前ならなんとかしようとしてさらに慌てていました。 でも、もうそこと闘わない。闘っても仕方ない。闘いようがないじゃん、更年期だもん、と受け入れるようにしています」 さらには、コロナ禍で自分の時間ができたことがきっかけで、ピラティスやパーソナルトレーニングに週に1回ずつ通うようになった。意外だが、それまでは日常的に運動という運動はまったくしていなかったのだそうだ。 「痩せるためとか筋力アップが目的ではなく、体のバランスを整えるために通っています。たとえ行きたくない日があっても、頑張って行けば自分の体と向き合うことができる。しかもトレーナーさんが私の体調を察して、それに合わせたトレーニングを組んでくれるので、行けば『整いました』という時間に変わります」