被害拡大も苦戦するクマ駆除 報酬過少だけではない、現場のリアルな声「適法な発砲か不安」札幌猟友会
●少なすぎる報酬問題「ガソリン代、弾代などの諸経費は狩猟者持ち」
2024年5月、北海道奈井江町の猟友会が、町のヒグマ駆除への協力要請に対し、報酬が十分ではないとして辞退を表明したことが話題となり、社会的耳目を集めた。 狩猟者の報酬について、玉木氏は「自分の支部でも過分な利益は出ていない」と明かす。 「とある地域の支部の方とお話した際、案件内容によって変動はしますが『日当8500円ほど』と聞きました。札幌支部の日当はその倍くらいはもらっていますが、基本的には現場に向かうためのガソリン代、弾代などの諸経費は狩猟者持ち。 加えて、支部の運営費として日当の半分を回しているため、隊員の個人的利益はほとんど出ません。運営費の使用目的は、主に後進育成に充てられています。猟友会を私達の代で終わらせてはいけないので」
猟友会を取り巻く厳しい経済状況について、玉木氏は「継続的な活動が難しくなりかねない」と危機感を露わにする。 「私達は利益が出ないだけですが、日当8500円の支部の場合は出動する度に赤字になっているかもしれません。 『猟友会はボランティアによって支えられている』というと聞こえは良いですが、それでは狩猟者という人的資源は枯渇して、結局のところ、継続的な活動が難しくなってしまいます。 適切かつ継続的な運営をするためにも、日当額の見直し、隊員に依存しない諸経費・運営費なども話し合ってほしいです」 【筆者プロフィール】望月悠木:主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki