“無糖ブーム”に湧く飲料業界。“無糖紅茶”キリンに聞くホンネ「緑茶と何が違うのか?」といった声も
世の中の「健康志向」の高まりにより、右肩上がりで成長を続ける「無糖市場」。コーヒーや紅茶、炭酸、お酒……あらゆる飲料で注目されるカテゴリーのひとつだ。 そんな無糖ブームの波に乗るのは、キリンホールディングス傘下のキリンビバレッジ。これまで同社を代表する主力商品「午後の紅茶」において、「おいしい無糖」やキリンビバレッジ初の無糖のミルクティーなど、多くのヒット商品を開発してきた。 今回はそんな同社のマーケティング部ブランド担当、西村史也さんに取材。今夏に発売した新商品「キリン 午後の紅茶 TEA SELECTION SUMMER BLEND ICE TEA」を踏まえて、同社の無糖紅茶における課題や今後の期待を聞いた。 ⇒【写真】新商品「キリン 午後の紅茶 TEA SELECTION SUMMER BLEND ICE TEA」
右肩上がりの無糖市場とキリンの紅茶
キリンの無糖紅茶の歴史における転機を語るには、2011年にまで遡る。ブランド草創期から無糖の紅茶の開発に挑戦してきた同社だが、なかなか受け入れられるものが作れなかった。しかし、2011年にようやく「おいしい無糖」が社会に受け入れられた。 なぜ、「おいしい無糖」はヒットしたのだろうか。 「ターゲットを食事シーンに絞って、ステーキや唐揚げなどこってりした食事をする人に対して、『おいしい無糖』を飲めば口中がさっぱりするよ、と打ち出したんです。その戦略が功を奏し、大ヒット。これまでの紅茶のイメージを大きく覆すものでしたが、結果食事シーンへの拡大を果たし、さらにキリンの新しい看板商品にもなりました。同商品はブランド内でも売り上げベスト3に入るほど、人気を誇る商品になっています」 そんな背景から2022年、レギュラーシリーズに比べてカロリーを50%オフとした微糖のミルクティー「キリン 午後の紅茶 ミルクティー 微糖」を開発。さらに2023年には、ブランド初の無糖のミルクティー「午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー」を発売。約8年もの間何度も試作を繰り返した末、砂糖や甘味料を全く使わないミルクティーの開発に成功。発売月に1000万本を突破し大ヒット商品となった。