“無糖ブーム”に湧く飲料業界。“無糖紅茶”キリンに聞くホンネ「緑茶と何が違うのか?」といった声も
紅茶を飲まない層をターゲットに
このように世の中の健康志向の高まりから、紅茶だけではなく、飲料業界全体で無糖ブームが続いている。その波に乗るキリンビバレッジは今夏、新商品「キリン 午後の紅茶 TEA SELECTION SUMMER BLEND ICE TEA」を販売した。 夏の期間限定商品の開発を始めたのは、ちょうど2023年4月頃だった。 「まずは『夏らしい商品』ってなんだろうかと考えることから始めました。夏は炭酸やお水、お茶などスッキリした飲み物が売れるのがセオリーです。対して、紅茶は年間を通しても比較的安定して売れるカテゴリーですが、唯一夏の売り上げは伸び切っていない。そもそもホットのイメージが強く、甘いイメージがある紅茶ですが、どうにか夏にも受け入れてもらえる“スッキリとした紅茶”を作ろうと思ったとき、無糖の紅茶に可能性を感じました」
あえて“午後の紅茶らしさ”を取っ払う
ターゲットにはお茶やお水、炭酸を飲むような、普段は紅茶を“手にとらない”層に設定。そんな人に選んでもらう商品にするために、一体どのようなことにこだわったのだろうか。 「まずは紅茶の中身にこだわりました。1つは茶葉のブレンドです。これは『キリン 午後の紅茶 TEA SELECTION』シリーズの全てにおいて、こだわっている部分でもあります。本商品では爽やかな香りのダージリン茶葉(30%)、すっきりした味わいのキャンディ茶葉(34%)、華やかなディンブラ茶葉(36%)といった3種類をブレンドしました。また飲んだ瞬間に広がるマンゴーの香りを中心に、パッションフルーツやライチといった南国の果実の香りを楽しめるように。最初から最後まですっきりとした、夏らしいアイスティーに仕上げました」 さらにこだわったのは味だけではない。普段紅茶を選ばない人が手に取りやすく、パッと見て目を引くようなパッケージを作り込んだ。 「紅茶を普段から選ばない層に向けて、あえて“午後の紅茶らしくない”パッケージに仕上げました。そもそもパッケージを見ただけで『これは紅茶だから買わない』と、即座に判断してしまう人が多いからです。今回はブランドカラーである赤は使わず、英字を並べて、輸入品のような、洒落ている見た目に。初めて見たときに『あ、素敵な飲み物が出ている』と手に取ってもらえる。そんなパッケージを目指しました」