【箱根駅伝】創価大・吉田響 花の2区で14人抜き!日本人歴代最速記録「自分の全ては出せたと思う」
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝・往路(2025年1月2日 東京・大手町―箱根・芦ノ湖=5区間107・5キロ ) 実力ランナーが集った花の2区(23・1キロ)では、創価大の吉田響(4年)がオープン参加の関東学生連合の選手を含め14人抜きの激走で、日本人歴代最速の1時間5分43秒を記録した。12人抜きの東京国際大リチャード・エティーリ(2年)は1時間5分31秒の区間新記録をマーク。1時間5分44秒だった青学大の黒田朝日(3年)を含め3人が、21年ビンセント(東京国際大)の区間記録1時間5分49秒を上回るハイレベルな争いを演じた。 日本人歴代最速記録をマークした吉田響が創価大の往路5位の立役者となった。2区で18番目にたすきを受けると、次々と前方の選手を抜き去った。残り8キロでスパートをかけるイメージ通りの走りを体現して14人抜き。区間2位ながら、ビンセントの区間記録を上回り「日本人トップを出せてホッとしている。先頭まで順位を押し上げることと、区間賞を獲れなかったのは悔しいが、自分の全ては出せたと思う」と破顔。エティーリに13秒及ばなかったが、花の2区で確かな存在感を見せつけた。 気持ちを押し殺し、チームのために走った。東海大時代の1年時は5区区間2位に入った逸材。3年時に編入した創価大でも昨年は5区を走った。「区間新を出して山の神になることが目標だった」と区間9位に終わった昨年の雪辱を胸に、今大会も5区での出走を希望していたが、補欠からの当日変更で2区に入った。昨年11月の全日本後から選択肢にあったことを明かし「(榎木和貴)監督と相談して自分のパフォーマンスを発揮するためには2区の方がいいとなった。(山の神になる)気持ちを押し殺して、チームで最後に笑って終わるためにも2区区間新で優勝する思いで走った」。葛藤があったことを明かしながらも、すがすがしい表情で激走を振り返った。 歴史に名を残した男は「将来はプロランナーになり、ロサンゼルス五輪のフルマラソンで入賞することが夢」と力強く目標を掲げた。(伊東 慶久)