新作がカンヌで賛否両論。巨匠 フランシス・フォード・コッポラ監督の歩みを振り返る
制作に45年かかったという大作『メガロポリス』を引っ提げてカンヌ国際映画祭に登場。フランシス・フォード・コッポラ監督のあまり知られていない意外な過去やヒット作品を「エル デジタル」の人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesがチェック! 【写真】カンヌ国際映画祭でセレブが魅せた洗練の歴代ネイキッドドレス82選
巨匠の歩みを振り返る
新作『メガロポリス』(’24)を引っ提げて、久々にカンヌ国際映画祭に登場したフランシス・フォード・コッポラ監督。アカデミー賞やパルムドール、ゴールデグローブ賞などさまざまな映画賞を受賞している大物監督の歩みを振り返ってみたい。 (写真:フランシス・フォード・コッポラ)
実はソフィア・コッポラのパパ
コッポラ監督と聞いて、今どきの若者が思い浮かべるのはソフィア・コッポラのことかもしれない。『ヴァージン・スーサイズ』(’00)で長編監督デビューを飾り、東京で撮影した『ロスト・イン・トランスレーション』(’03)でアカデミー賞脚本賞やセザール賞外国語映画賞などを受賞。最新作『プリシラ』(‘24)もスターに愛された少女の複雑な心もようや成長をニュアンス豊かに描いていると評判だ。そんなソフィアに大いなる影響を与えたのがパパ・コッポラと言えるだろう。 (写真:ソフィア・コッポラ、フランシス・フォード・コッポラ)
イタリア移民の孫としてニューヨークで育ったフランシスは、カリフォルニア大学で映画を学ぶことを選択。学生時代、映画学校の仲間たちがソフトコアなアダルト映画製作でバイトしていることを知り、フランシスも参加。芸術的すぎたのか2本作ったけれど、劇場公開はされないまま。この2本を再編集してようやく公開されたのがデビュー作『グラマー 西部を荒らす』(’63)という作品で、息子を愛する父親カーマインが音楽を手がけてくれている。 (写真:フランシス・フォード・コッポラ)
映画監督デビューしたのと同じ頃、B級映画の帝王ことロジャー・コーマンに編集者として雇われたフランシス。ソ連映画を再編集して別の作品『燃える惑星 大宇宙戦争』(’60)に仕上げて、コーマンを感動させたとか。低予算映画の辣腕監督としてキャリアをスタートしたフランシスだが、ハリウッドからお呼びがかかるまでさほど時間はかからなかった。『雨のニューオーリンズ』(’66)や『パリは燃えているか?』(’66)の脚本を担当し、『パットン大戦車軍団』(’70)で初のアカデミー賞脚本賞を受賞。 (写真:ロジャー・コーマン)