約1,000個の豆大福が午前中で売り切れることも。 老舗和菓子店〈松島屋〉の豆大福ができるまで
「せっかくうちに来たんだから食べてみてよ」と手渡された包みたての豆大福は、まだほんのりと温かくて、搗いたばかりの餅の甘みが際立つ。これこそ早起きの特権だ。
それにしても、あの小さな作業場で餅を搗き、赤エンドウ豆を蒸し、小豆を炊き……という、創業時から一切端折らぬ製法を続けていることに感動を覚える。こうした一つ一つの工程を経た豆大福が、1個210円。なんと尊いことか。
「お客さんに喜んでもらえるのが一番だから」と語る文屋さんは、店の外で開店前から行列を作るお客のために15分ほど早く店を開けた。東京みやげの名品は、やはり店主のこんな人柄から生まれてくるのだ。
松島屋
住所:東京都港区高輪1-5-25 TEL:03-3441-0539 営業時間:9:30~16:00(売り切れ終い) 定休日:日、隔週月休 泉岳寺駅から徒歩7分ほど。豆大福は予約可能。秋限定の栗蒸し羊羹も多くのリピーターを持つ人気商品。
photo_Kiichi Fukuda text_Yoko Fujimori