【画像50枚】日産最後のワークスラリーマシン・パルサーGTI-RグループAのレストアが完了! 1992年WRC最終戦RACラリーを走った姿が甦る!!
参戦数や戦績ゆえに資料写真や映像の少なさが難点……エクステリア
再生にあたっては、単に綺麗にするのではなく「ゴールした状態のまま」を基本に行われた。とはいえ、グループAラリーカーゆえのスペシャルパーツも多く苦労を重ねることになった。意外にも、この当時の写真や映像資料が少なくステッカー等の復元も難しかったという。特にリヤまわりは資料や写真が少なかったそうだ。 長らく日産ヘリテージコレクションに保管されていた本車だが、分解してみると見えないところに様々な補修が繰り返されていたほか経年劣化もかなり進んでいたようで、これまた再生には手間がかったようだ。 また、ラリーカーだけにボディのそこかしこから土が出てくるため、そのクリーニングにもかなり時間がかかっている。
スペシャルメイドのエンジンと駆動系……パワートレイン
外観以上にスペシャルなのがエンジンと駆動系。エンジンはWRC仕様で300ps程度までパワーアップされたほか、アテーサ4WDシステムも電子制御を進めた特別なものになっている。これらについては前述の『RALLY CARS Vol.22』に詳細に記されているのでぜひご一読いただきたい。 6速ドグミッションはグループA用に開発された専用品で、デフと合わせてケースはマグネシウム製。センターデフにはE-TSが内蔵されており、このオーバーホールには日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社モータースポーツ事業部の助力が大きかったという。
市販車の雰囲気を残しつつ無駄を廃したコックピット……インテリア
グループA時代のWRCマシンのコックピットはダッシュボードやドアの内張が市販車のまま残されているなど、意外とノーマルの雰囲気を感じさせる。一方で、ホワイトボディ剥き出しにロールケージを張り巡らせ、シートはフルバケットタイプ、内装はほとんど剥がされた空間はまさに競技車両であることを強く感じさせる。 電装系でも、ECM内部は基盤に接続された素子類がラリーの振動やアクシデント時に外れることが無いよう樹脂で固められたいたそうだ。また、センターコンソール裏のブレーカーパネルなど、ハーネス類は極めて整然と配置した上で、こちらも外れないようにしっかり固定されているなど、ラリーフィールドで戦うクルマとして作り込まれていたという。 内装類も交換するのではなく徹底的なクリーニングを実施。土埃が入り込んでいたドアの内側も、トリム裏まで清掃した上で防錆処理も施している。バケットシートもリンサークリーナーで清掃し、往時の雰囲気はそのままに綺麗になっている。
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