ナダル涙の現役引退 「テニスに疲れたわけではない。体がもうプレーしたくないと言っている」
◇テニス 男子国別対抗戦デビス杯ファイナルズ ファイナル8(2024年11月19日 スペイン・マラガ) 【写真】目に涙を浮かべ、観衆に応えるナダル 準々決勝のスペイン―オランダが行われ、スペインの元世界ランキング1位ラファエル・ナダル(38)は第1試合のシングルスで世界80位のボティク・ファンデザンスフルプ(29=オランダ)に4-6、4-6で敗れた。スペインは1勝2敗(シングルス1勝1敗、ダブルス1敗)で敗退し、今大会での引退を表明していたナダルにとって現役最後の試合となった。 試合後にセンターコートで行われたセレモニーは「ラファ」コールに包まれた。キャリアのハイライトシーンを収めた映像が流れると、ナダルは涙を流した。「正直言って、誰もこの瞬間を迎えたいと思っていない」と話すと、「テニスをすることに疲れたわけではないが、体がもうプレーしたくないと言っているので、この状況を受け入れざるを得ない」と説明。「自分の趣味を仕事にできたこと、想像していたよりもずっと長くプレーできたことは、とても恵まれたことだと思う。人生と、自分を支えてくれる全ての人々に感謝するしかない」とあいさつした。 セレモニーが終わると、ナダルはスペインのチームメートと抱き合い、観客に両手を振るとお辞儀をしてコートを去った。スペインチームの主将、ダビド・フェレール(42)は「あなたがテニス界に与えた影響はみんなが知っている。あなたが去ることはとても寂しい。“頑張れ、ラファ”のコールは永遠に歴史に残るだろう」と惜別のコメントを送った。 ナダルは4大大会の男子シングルスで歴代2位の通算22勝、ツアー通算では92勝をマーク。全仏オープンでは史上最多14度の優勝を誇り、クレーコートの勝率は9割超で「クレー・キング」と呼ばれた。08年北京五輪の男子シングルスと16年リオデジャネイロ五輪の同ダブルスで金メダルを獲得しており、キャリア・ゴールデンスラムも達成。デ杯でもスペイン5度の優勝に貢献した。