戦争多発の2024年が投げかける問い――「欧米主導の時代」の終わらせ方は見つかるか
2010年代以降に、戦争の数は、特に急激に増加した[レバノン・シリア国境のヘルモン山に立つイスラエルの兵士たち=イスラエル国防軍Facebookの2024年12月10日の投稿より]
現在の世界は、極めて武力紛争の数が多い状態にある。2024年も高止まりだった。非常に犠牲者数の多い ロシア・ウクライナ戦争 や、 ガザ危機 を中心とする中東の一連の戦争、そしてアフリカ大陸の「アフリカの角」からサヘルにかけての複数の諸国にまたがる諸々の戦争は、以前から深刻化していた戦争群だが、今年もやはり激しさを和らげることなく続いた。 しばしば、第二次世界大戦以降の世界で戦争がなくなったときはない、と言われることがある。それは事実である。ただし約80年の歴史の中で、武力紛争の数の増減には、様々な浮き沈みがあった。 近年では、冷戦が終焉した1990年代初頭に、武力紛争数が顕著に増加したことがある。ただしその後は、徐々に武力紛争数は抑え込まれた。ところが2010年代になって一気に増加した(UCDP[Uppsala Conflict Data Program] https://ucdp.uu.se )。
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篠田英朗