日韓国交正常化60周年に暗雲 「非常戒厳」は日本経済にいかなる悪影響を及ぼすか
韓国の政権交代により日韓関係に隙間ができれば、トランプ次期米大統領による「離反戦略」の格好の餌食となろう(C)Route16/stock.adobe.com
12月14日夕刻、韓国の国会は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案を可決した。前週7日にも弾劾訴追案が国会で採決されたが、与党議員の大多数が採決に応じず退場したため、投票議員が定数を満たさず不成立に終わっていた。2回目は、在籍議員300人のうち3分の2を超える204人が賛成、反対は85にとどまり可決された。反対の数は与党「国民の力」の議員数108人を下回っており、与党からも一定数が賛成に回ったということである。 弾劾訴追の可能性については、今年4月の総選挙で与党が大敗して以降、たびたび噂されていた。ただ、実際に実行するとなると正当な理由がなければ逆に信頼を失う可能性もあり、数の上で優位な野党といえども、そう簡単ではないとみられていた。ところが、尹大統領は「非常戒厳」に踏み切ることで自ら弾劾訴追の「正当な理由」を作ってしまったとも言える。 いずれにしても、弾劾訴追が決まった尹大統領は職務停止となり、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が代行を務める。そして、弾劾については、その妥当性を憲法裁判所が180日以内に結論を出す。妥当と判断されれば、尹大統領は失職し、次の大統領を選ぶ選挙が60日以内に行われる。
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武田淳