【毎日書評】「上司を出せ!」と怒鳴られたら? ハードクレームを回避する2つの対処法
上司を出せ! と詰め寄られた
マニュアルに沿って、丁寧に商品説明をして対応したのですが、 「お前じゃ話にならないから上司を出せ」 「責任者を出せ」 と言われてしまいました。「ご不快な思いをされた点についてお聞かせください」とお願いしても「上司(責任者)がくるまで話さない」と取りつく島もありません。 NG対応:「すぐ交代します」と、上司や責任者を呼びに行く。 (124ページより) 「上司を出せ」といわれたからといって、すんなり上司に対応を交代するのは避けるべきだと著者は述べています(ただし、対応しているのが新入社員や、部署移動してきたばかりで業務のことがよくわからないフタッフの場合は、ベテランスタッフに迅速に交代してもらうことが必要)。 「上司を出せ」と繰り返す人の多くは、決裁権を持つ責任者には、現場スタッフにはできない特別な対応(金品での解決など)をしてもらえると知っているもの。そのため、より悪質な要求をしようと考えるわけです。 とはいえ上司は、「現場での判断では対応しきれない特殊な事情」があるときにだけ対応し、基本的には現場スタッフで対処するべき。クレームが派生するたびに呼び出していたら、上司は管理職としての本来の仕事ができなくなり、現場スタッフのスキルアップにもならないからです。 「上司を出せ」と言われたら、 「私が責任をもってお話をお伺いします」 「上司が参りましても私と同じご説明になるかと思いますが……」 と伝え、交代しない姿勢を示します。 お客様がダメだと言っても、「私がお客様のご意見を伺い、責任をもって上司に報告いたします」と伝え、現場スタッフが対応を続けます。(126ページより) このとき、最低3回は繰り返して説明するようにすることが大切だといいます。それでも「いいから、上司を出せ」といい続けるようなら、責任者を出さなければならない理由を聞き出し、上司に伝え、指示を仰ぐのです。もちろんクレームのケースもさまざまでしょうが、基本的には現場のスタッフ同士で助け合いながら完結させることを徹底するのがよいようです。(124ページより) 数々の実績を残してきた著者は、現場と組織が協同で対策に取り組んだところは必ず数年後に効果を出すと断言しています。スタッフを大切にし、顧客満足のみならず従業員満足をも向上させる組織を目指すために、ぜひと本書をも参考にしたいところです。 >>Kindle Unlimitedの3カ月無料キャンペーン【7/17まで】 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: あさ出版
印南敦史