ライドシェア導入で起こる“災難・トラブル”は?海外での実体験から予想できること
その3:ライドシェア利用者を狙う「本物の白タク」
自分が配車依頼したライドシェアの車が到着した際、必ずアプリに表示されているナンバープレートと実際に来た車のそれを照らし合わせることも忘れてはいけない。 というのも、中にはライドシェアとは全く関係のない「本物の白タク」がマッチング車両を装う出来事もあるからだ。スマホ片手にキョロキョロしている外国人などは、十中八九ライドシェア待ちである。そうしたことが見た目ですぐに分かるため発生するトラブルだ。 こうした悪質なドライバーに「アプリとナンバーが違うよ?」と指摘しても、「いやいや、今日は妻の車を借りてきたんだ」などと返す始末。もし彼の言うことが真実だったとしても、それはライドシェア運営者にとっては規約違反のはずだが……。
その4:繫華街ではライドシェアは使えない
ライドシェアとタクシー会社との抗争は、日本に限ったことではない。 世界中でライドシェアを排斥しようという動きがあり、その上でライドシェアとタクシー会社が協定を結ぶこともある。そのひとつが「繁華街でのライドシェアのピックアップ禁止」である。 一例を挙げれば、インドネシア・バリ島の繁華街レギャン通り。ここには今も数え切れないほどのタクシーが往来するが、一方でライドシェアの車両はドロップアウト(降車)のみが許されている。アプリで車両を手配しようとしても、そもそも来てくれないのだ。 また、空港では「ライドシェア乗り入れ口」が設けられていたりもするが、これがタクシーの乗り入れ口よりもターミナルから遠いところに設置されている……ということも。
それでもライドシェアは便利だ!
とはいっても、やはりライドシェアは非常に便利である。 日本の地方都市では、今でもタクシーを呼ぶ際は電話が主流。アプリを使った配車は、まだまだ浸透していないのが現実だ。そうした国から海外へ渡航してライドシェアを利用してみると、なぜこんなに合理的で使いやすい仕組みなのにタクシーよりも遥かに低料金なのかと驚愕してしまう。 その料金は事前確定方式、支払いはキャッシュレスという点もありがたい。そうした交通システムが確立した国から帰国すると、やはり「技術格差」というものを嫌でも感じてしまうのだ。日本では今でも現金しか対応していないタクシーが存在し、料金も最後まで乗り切らなければ分からない。 日本版ライドシェアは、そうした技術格差を解消してくれるだろうか。 <文/澤田真一> 【澤田真一】 ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』
日刊SPA!