もはや“推し活”ではなく“パパ活”…投げ銭に高級シャンパンまで乱れ飛ぶ「ファンビジネス」の実状
何事ものめり込み過ぎは禁物
ところで、ある“有名な”新興宗教は「金がかかる」といわれるが、元会員に話を聞いたところ、実際にはそれほど金はかからないらしい。月々の購読料2000円程度の新聞を購読し(最近では購読しない人も増えているようだが)、年末に財務と称して1万円前後を出す(無理に出さなくてもいい)。お金を出す人は出すが、強制力はなく、末端の会員は年間の活動費は5万円もあれば十分であろう。 推し活はそんな宗教団体の何倍も金がかかることはザラだ。事実、この記事で紹介したAさんは、一回のライブのグッズ代だけで、新興宗教の年間活動費を超える出費をしている。推し活という言葉を隠れ蓑にし、巧みな集金システムができあがっているように思う。 推し活もほどほどの範囲内でやるのであればまったく問題ないし、日々の暮らしが充実するのは間違いない。筆者も何を隠そう、アニメが好きだし、作中に“推し”はいるのだから。しかし、SNSを見ていると、生活が破綻するレベルで推しに貢いでいる人は少なからずいるようで、気がかりだ。何事ものめり込みすぎには用心したいものである。
山内貴範(やまうち・たかのり) 1985年、秋田県出身。「サライ」「ムー」など幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。 デイリー新潮編集部
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