☆旧車スーパーカブ☆大人気【CT125】の先代モデル、CT110を走らせよう
追加部品の溶接痕が今ひとつ。やり直しとペイント仕上げ!?
クロームメッキの大型リアキャリアには使い勝手優先のコの字バーが溶接されていた。このキャリヤグリップは切り落として、キャリヤや前後ホイールリム、エンジンアンダーカバーなどのクロームメッキ部品は、すべて半ツヤブラックにペイントしようと思う。オーナーさんからは、そんな案も出ています。サイドスタンドをぶつけて溶接し直した形跡も……。スタンドの先端がドライブチェーンと干渉しているが、何故だろう?ステップブラケットからスタンドマウントを切り落として、溶接補修決定!!
エンジン始動は可能だったものの、程度最悪……
ラッキーなことにキャブレターには新品部品が組み込まれていた。よく見るとマフラーのコンディションもかなり良いので、比較的近年に交換されたというか、中古車として仕上げられた個体だと思われる。メインキーとハンドルロックキーは同一キーながら、紛失したらしく合鍵が作られていた。ホンダ純正で流用できるブランクを見つけたら、作り直すのも良いだろう。以前に所有していたCT90ハンターカブは、ハンドルがクランプリリース式で、解除することでタイヤは直進方向なのに、ハンドルは90度振ってタイヤと同じ向きにすることができた。国内初期は通常の固定式だが、ハンドルの切れ角はかなり大きい。よく見ると、左右で切れ角に違いを発見した。あぁ…… 【POINT】 スーパーカブ×メンテの世界・車体からエンジンまで完全分解して、各部をオーバーホールしながら組み立て進行していくのが「フルレストア」と呼ばれる作業。ここでは、車体は分解するものの、ペイントはタッチアップのみ。エンジンは腰上分解のみで仕上げようと考えているので、いわゆる「セミレストア&お化粧直し」と呼べる作業進行になる。気楽に作業できるセミレストアは、レストア&メンテナンス初心者にはお勧めだ。 ホンダ横型4ストOHCエンジンを搭載した初登場モデルと言えば、1964年に発売されたベンリーCS90。その派生モデルとして登場したのが、オフロードスタイルのCL90、スーパーカブのCM91→C90、ビジネスモデルのC201→CD90へと進化した各モデルだ。CS90が登場した直後には、65ccのスーパーカブC65とスポーツカブのCS65が登場した。1964年の段階で、50ccシリーズはOHVエンジンのC100系で、1966年になって初めて50ccモデルも、OHVからOHCエンジンへと移行していった。 CS90から始まった横型90ccエンジンは、その後、郵政仕様のMD90や初期型SL90、そして、ここでの主役、ハンターカブデザインの後継モデルとして登場したCT90へと派生した。国内では、郵政仕様のMD90が、21世紀までこの系列エンジンを搭載。トレールモデルのCT90は、1981年に排気量を110ccにアップして、リニューアル発売された。その後、北米やオーストラリア・ニュージランドをメインマーケットに、2006年頃まで「キャブレター仕様」のCT110やPOST110が製造され(本田技研熊本製作所にて)、海外専用モデルとして輸出販売されていた。 そのCT110の国内初期型というか、唯一、国内で発売された副変速機を持たない仕様をバイク仲間が購入した。同モデルは、シリーズの中でも珍しい副変速機を持たないエンジンを搭載し、同時期に発売されたCT250シルクロードとともに、国内市場では「トレッキングバイク・カテゴリー」を担うモデルでもあった。 長年乗り継がれてきた雰囲気があるものの、走行距離は比較的少なく、オーナーさんによれば、バッテリーコンディションが良ければスムーズにエンジン始動はできるそうだ。まだ詳細は確認していないが(手元に資料が無い)、おそらくホンダの原付2種シリーズ特有のバッテリー点火を採用しているかも知れない?(後に確認するとCTシリーズはモデルの性格からバッテリーが無くてもエンジン始動できるフラマグ点火を採用) エンジン始動を試み、メカノイズだけ確認できたら(気になる音が聴こえたときには心構えと覚悟が必要ですね~)セミレストアとお化粧直しを優先し、仕上げていこうと考えている。このパターンで仲間から預かったバイクを仕上げていくと、仕上がるにつれ、物欲が高まってしまうぼくですが、今回は、バイクいじりだけを楽しませて頂こうと思います。
たぐちかつみ