TUBEの定番“夏うた”「あー夏休み」、メンバーは「当初、シングル化を嫌がっていた」音楽界での立ち位置に悩んだ過去も明かす
ただ、この「あー夏休み」、TUBEが‘15年にリリースした全4種のオールタイムベスト『Best of TUBEst ~All Time Best~』では、王道の夏うたが多く収録された『Tropical盤』ではなく、『Unique盤』に収録されている(他の2枚は『Ballad盤』と『Excite盤』)。 まずは、この曲を“Unique”に区分した理由を二人に尋ねてみた。 角野「僕らとしては、着物を着てパフォーマンスするなど、当時から王道じゃないつもりで出した歌なんです」 春畑「当初、角野は、この歌をシングルにするのを嫌がっていたくらいでした(笑)。実は、シングル候補としては、サビ頭で爽快な曲調の『N・A・T・S・U』(Spotify28位)をメンバー全員で推していたんですよ。でも当時のプロデューサーからはOKが出なくて、“もっとこういう曲を作れば?”とギターでアドバイスされながら作ったのが、和風で懐かしい感じの『あー夏休み』なんです。さらに、サビの部分で同じようなメロディーが延々と続くので、ラストにボーカル前田(亘輝)の最高キーを持ってきて、“あーーー”の高音部分でインパクトをつけました」 角野「タイトル候補は『Oh! Summer Horiday』だったのが『あー夏休み』になり、歌詞にも何回もダメ出しがあって、どんどん和テイストになっていきました。『シーズン・イン・ザ・サン』など、初期のころに織田哲郎さんが書いてくださった曲は、16ビートで海外の海のイメージがあるのですが、『あー夏休み』あたりから、サウンドでも日本、湘南という感じが強くなりましたね。当時は照れ隠しもあって、ミュージックビデオもふざけた感じで作ったのに、今じゃ野外ライブで外せない楽曲になりました。当時の僕らは見る目がなかった(苦笑)」
ちなみに、’07年に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)が実施した『夏うたランキング』では、「シーズン・イン・ザ・サン」の16位に対し「あー夏休み」は44位という結果に。しかし、’15年の同ランキングでは「あー夏休み」が2位、「シーズン・イン・ザ・サン」が6位と逆転し、以降も「あー夏休み」>「シーズン・イン・ザ・サン」という傾向が続いている。このことから、より若い世代に、ノリの良い「あー夏休み」が支持されていったということが考えられる。 角野「『あー夏休み』を演奏する時、特別な演出はしていないのだけれど、みんなで軽く振りを入れて、大人もお子さんも一緒に声を出して歌える、というのがいいのかもしれないですね」