理系科目が苦手になってしまう最大の理由は? 「文系・理系」を選ぶそれぞれの学生の本音
勉強は「楽しい」から好きになる
逆に、その教科を好きになるのも小中学生のときの影響が強い、という結果が出ました。おおむね7~8割の子が、高校に入る前には「好き」を自覚しています。 「好き」になった理由を聞いたところ、「先生が楽しそうに授業してた」「先生の教え方がうまかった」など、先生との出会いがきっかけになったり、「解けるのが楽しかった」「問題が解けるようになり成績が上がった」といった、そのときどきの成功体験が大きな理由となっているようです。 また、実際に理工・医学系に進学した学生に聞くと、「博覧会に行って」「映画を見て」「テレビを見て」など、身近な体験が興味を持つきっかけとなったケースが多くありました。理数系は特に、日常生活において一見、勉強とは結びつかない経験から「学び」につながりやすい科目とも言えそうですね。
「文理選択」の先にある「将来、何者になるか」
文理選択は「高校1年の秋~冬」にかけて行われる学校が多いようです。ようやく高校に入ったと思ったら、すぐに大学進学への重要な選択を迫られるということです。親も子も、なかなか心が休まるヒマがありませんね。 しかし、これまでのアンケート結果を見ると成績の良し悪しも大事ですが、それ以前に、その学問が「楽しい」「面白そう」など、小中高時代の興味・関心から進路を選ぶ傾向が強いように思われます。
だからこそ周囲の大人が、子どもたちが自由に視野を広げられるよう、日常的にさまざまな経験をさせてあげることが大切になってきます。その中で、興味を持ったり、面白いと感じたり、没頭できるものが見つかれば、文理選択をする際に、その先にある「将来やりたいこと」や「なりたい職業」「行きたい業界」などから逆算した意思決定ができるでしょう。 また、大学によっては、文系学部に入っても理系教科の受講が可能だったり、その逆もできたりするところもあります。また、海外留学しても条件をクリアすれば単位を取得できるシステムも。大学側も、学生の将来を見据えた「多様性」に柔軟に対応するようになってきていると言えるでしょう。