ハリウッド初夏商戦の異常事態が続く北米興行 第7位には『劇場版ハイキュー‼』が初登場
『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』が北米で第7位に初登場
2024年公開作品で、興行収入No.1の記録を保持しているのは『デューン 砂の惑星PART2』。しかし、この映画を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督も、いまや映画興行の現状を深刻に捉えている。「(この映画が)まだ1位であることに失望しています。別の興行的成功が早く出てくること、この夏の興行成績がより良いものになることを願っています」と語ったのだ。もっとも、グロスが「あと1年かかる」と述べたように、ストライキによる致命的な話題作不足はすぐさま解消されるものでもない。今後の話題作にかかるプレッシャーが高まってゆくだけだ。 ちなみに今週のランキングには、日本から『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』が第7位に初登場。第8位にはスラッシャー映画『In a Violent Nature(原題)』、第9位にはボビー・カナヴェイル&ロバート・デ・ニーロ共演の家族コメディ『Ezra(原題)』もそれぞれ初登場したが、いずれも興行規模は小さめだ。 注目は、『スター・ウォーズ』シリーズのデイジー・リドリー主演によるスポーツ伝記映画『Young Woman and the Sea(原題)』。ジェリー・ブラッカイマー製作、『マレフィセント2』(2019年)のヨアヒム・ローニングが監督を務めており、Rotten Tomatoesでは批評家スコア85%・観客スコア98%の高評価を得た。もともとディズニープラスのオリジナル作品として製作されたが、試写の好評を受けて約250館の限定公開が決定。週末興収は50万ドル程度だが、この劇場公開には映画賞レース参入の狙いがあるとみられる。日本での公開・配信は未定。 北米映画興行ランキング(5月31日~6月2日) 1.『The Garfield Movie(原題)』(↑前週2位) 1400万ドル(-41.7%)/4108館(+73館)/累計5157万ドル/2週/ソニー 2.『ブルー きみは大丈夫』(↑前週3位) 1080万ドル(-33.1%)/3783館(-285館)/累計8042万ドル/3週/パラマウント 3.『マッドマックス:フュリオサ』(↓前週1位) 1075万ドル(-59.2%)/3864館(+60館)/累計4966万ドル/1週/ワーナー 4.『猿の惑星/キングダム』(→前週4位) 880万ドル(-34.3%)/3450館(-100館)/累計1億3999万ドル/4週/20世紀スタジオ 5.『フォールガイ』(→前週5位) 420万ドル(-29.7%)/2826館(-129館)/累計8028万ドル/5週/ユニバーサル 6.『The Strangers: Chapter 1(原題)』(→前週6位) 360万ドル(-35.5%)/2527館(-329館)/累計2836万ドル/3週/ライオンズゲート 7.『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』(初登場) 350万ドル/1119館/累計350万ドル/1週/クランチロール 8.『In a Violent Nature(原題)』(初登場) 211万ドル/1426館/累計211万ドル/1週/IFC Films 9.『Ezra(原題)』(初登場) 118万ドル/1320館/累計118万ドル/1週/Bleeker Street Media 10.『Sight(原題)』(↓前週7位) 108万ドル(-61.2%)/2118館(+18館)/累計588万ドル/2週/Angel Studios (※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2024年6月3日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります) 参照 https://www.boxofficemojo.com/weekend/2024W22/ https://variety.com/2024/film/box-office/box-office-garfield-beats-furiosa-bummer-weekend-1236022787/ https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/box-office-garfield-furiosa-1235913297/ https://deadline.com/2024/06/box-office-garfield-furiosa-haikyu-dumpster-battle-1235945804/ https://deadline.com/2024/06/denis-villeneuve-responds-to-summer-box-office-1235957151/
稲垣貴俊