映画『ガチ星』主演の安部賢一さん 俳優、コーヒー店、米作り“三刀流”に挑戦 地元・大分を選んだ理由
映画『ガチ星』の主演を務めた俳優の安部賢一さん(51)。地元・大分市で役者の傍ら、コーヒー店の経営や米作りに挑戦する“三刀流”に取り組んでいます。挫折から様々な出会いを経て、50歳を超えた今も多方面で活躍する安部さんの思いに迫ります。 【写真を見る】映画『ガチ星』主演の安部賢一さん 俳優、コーヒー店、米作り“三刀流”に挑戦 地元・大分を選んだ理由 安部さんは今年4月、大分市稙田地区にキッチントレーラー形式のコーヒー専門店「kibou coffee」をオープン。ハンドドリップで特別な一杯を提供しています。 安部賢一さん: 「もともとコーヒーが好きで、いつかはカフェをやってみたいというのがあって、週末は多くの人に足を運んでもらい反響はあります」 俳優としても活動を続けていて、去年は、斎藤工監督の短編映画『縁石』にも出演しました。この作品は、別府市を舞台に、人生に疲れた中年男性が希望を取り戻す物語で、安部さんが主演を務めました。 当時の上映会では、「地方でできることはたくさんあると思うし、映画を通じて皆さんにたくさんのことを発信していきたい」とあいさつ。映画による地域活性化の可能性に言及していました。 ■「世界のニナガワ」との出会い 安部さんはかつて競輪選手を目指していましたが、その夢を諦め、映像制作に携わりたいという思いから25歳の時に上京します。しかし、現実はガソリンスタンドでアルバイトに励む日々でした。 そんなある日、世界的に有名な演出家の蜷川幸雄さんと出会います。客として洗車に訪れた蜷川さんから「兄ちゃん普段何やってるの?」と声をかけられ、安部さんは、「映像の仕事がしたくて九州から出てきました」と答えます。さらに「兄ちゃんもったいないな。何かやれよ」という蜷川さんの言葉に背中を押され、俳優としての道を本格的に歩み始めました。 その後、数々の映画やドラマに出演してきましたが、転機が訪れたのは、競輪をテーマにした映画『ガチ星』でした。2017年に公開されたこの作品で、安部さんは、自分の人生と重なる崖っぷちの主人公を演じ、40代にして初めて主演をつかみました。