授業中座っていられる? 話を聞ける? 発達特性のある子の、後悔しない就学準備【「こども発達LABO.」にしむら夫妻に聞く!前編】
先生を味方に!大事なことは「ここが大事」と伝える
Q:先生のお話をきちんと聞けるか心配です A:伝え方を工夫してもらえるようお願いしてみて 繰り返しになりますが、先生にわが子の味方になってもらうことは、学校生活においてとても重要です。どんな特性があって、どのようなフォローが必要であるかを理解してもらえるよう、できるだけコミニュケーションを取っていきましょう。 学校では、「話を聞く」時間が多くなります。子どもは話が長くなればなるほど、要点を掴むことが難しくなります。そこで、大事なことは「今から大事なことを3つ言うよ」「これが大事だよ」と前置きをしてから話してもらうなど、担任の先生に工夫してもらえるよう、事前にお願いしておくとよいと思います。 ポイントは先生の話をまず聞くこと。日頃の感謝をきちんと伝え、対立軸をつくらないよう注意してください。
持ち物の管理はお子さんの性格で柔軟に!
Q:持ち物の管理ができません。学校で困らないようにするには? A:ある程度は仕方がないと思って。文房具は使いやすい物を一緒に選ぶ 物をなくしてしまうことはある程度は仕方がないと思う心を持っておくことは大事です。それを踏まえ、お道具箱や普段使う机の引き出しの中を管理するための方法をお子さんと一緒に考えていきましょう。 例えば、仕切りを作って物をおく位置を決めると整理整頓がしやすい子もいますし、逆にそれがストレスになってしまうようなお子さんもいます。後者の場合は、ざっくりとここにはこれとこれが入っていたらO Kと、入れるものだけを決めるほうが片付けてくれることが増えてきますので、お子さんのやりやすい方法を見つけてあげてください。 持ち帰るお手紙やプリント類は、透明で中身が確認しやすい書類入れを準備してあげるとよいと思います。クリアファイルは透明ですが、書類が滑り落ちやすく、中にお手紙をしまいにくいお子さんもいます。管理しやすい入れ物を準備しておきましょう。 筆箱も、鉛筆を1本1本ケースに入れるものもあれば、ペンポーチのようなものもあります。文房具類はお子さんが使いやすいものを準備してあげてください。 【お話を伺ったのは】 ■むぎちょこ(西村千織)/言語聴覚士 ことばの発達と発達障害が専門の言語聴覚士。病院勤務の後、公的療育機関に17年勤務し、ことばの遅れがある幼児や発達障害のあるお子さんに対して、のべ数万回の言語聴覚療法を実践。2020年より理学療法士西村猛の運営する株式会社ILLUMINATE取締役兼発達障害のあるお子さんのための支援事業所「発達支援ゆず」所属。子どものことばの発達にお悩みを持つ保護者の方向けのオンライン相談事業も実践。 YouTubeチャンネル「こども発達LABO.」では、理学療法士の西村猛と2人で、ことばとからだの発達や発達障害に関する情報を発信中。著書に「「ことばが遅い子・心配な子」から「ことば」を引き出す親子あそび」(PHP研究所)がある。 ■にしむらたけし(西村猛)/理学療法士 子どもの運動発達と発達障害が専門の理学療法士。株式会社ILLUMINATE代表取締役。公的療育機関等に20数年勤務した後、2017年に独立起業。現在は、会社代表として「発達支援ゆず」の3事業所を運営するかたわら、全国の保育園・幼稚園・こども園などで、子どもの運動発達や発達障害に関する研修会講師として活動中。 運動発達の専門家として、NHKあさイチ、テレビ朝日グッドモーニングを始めメディア出演等多数。著書に「寝る前10秒 子どもの姿勢 ピンポーズ!」(主婦の友社)がある。
文・構成/鬼石有紀