加古川女児刺殺事件 容疑者、事件前に複数のナイフを購入 連続襲撃計画か 兵庫県警押収
兵庫県加古川市で平成19年10月、小学2年の女児=当時(7)=が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が兵庫県警の任意聴取に「事前に同じようなナイフを複数本購入し、犯行に使用した」という趣旨の供述をしていたことが3日、捜査関係者への取材で分かった。殺人容疑での逮捕から4日で1週間。容疑者は逮捕後の調べに黙秘を続けているという。 この事件と容疑者が殺人未遂容疑で逮捕された同県たつの市の事件では、被害者の傷の状況などから同種の刃物が使われた可能性があることも捜査関係者への取材で判明。県警は勝田容疑者が女児を相次いで襲うことなどを考えて同種の刃物を複数用意し、両事件で使用した疑いがあるとみている。両事件で凶器は見つかっておらず、県警は勝田容疑者が犯行後にそれぞれ遺棄したとみている。 勝田容疑者は16年の岡山県津山市の女児殺害事件で服役中の先月7日、18年にたつの市で起きた女児殺人未遂事件で逮捕され、同27日に加古川市の事件で再逮捕された。 容疑者はこれまでの任意聴取に、加古川市の事件について「好みの女児を探し、クラフトナイフで刺した」などと供述。さらに、ホームセンターで同種のクラフトナイフを複数本購入し、犯行に使用したという趣旨の説明をしている。ほかに自傷行為でも使ったとみられる。 兵庫県警は27年に姫路市の女子中学生殺人未遂事件で勝田容疑者を逮捕。その後の関係先の家宅捜索で複数の刃物を押収しているという。 ■鑑定留置、来週中に請求へ、供述の信用性担保で立証 勝田州彦容疑者について、神戸地検は刑事責任能力の有無を調べるため、鑑定留置を来週中に裁判所に請求する方針を固めた。関係者への取材で分かった。起訴した場合に開かれる裁判員裁判で、刑事責任能力が争点となる可能性があり、地検は起訴前に事件当時の精神状態などを詳しく調べる必要があると判断した。 勝田容疑者は逮捕後、黙秘を続けているが、任意段階の調べには加古川市や同県たつの市の事件への関与を認め、当時の状況を詳しく説明していた。捜査当局には、鑑定留置で勝田容疑者の心理状態を調べることで、供述の信用性を担保する狙いもあるとみられる。