加古川女児刺殺事件 容疑者、事件前に複数のナイフを購入 連続襲撃計画か 兵庫県警押収
捜査関係者によると、兵庫県警の任意聴取に容疑者が説明した加古川市での犯行の経緯はこうだ。
平成19年10月16日夕、勝田容疑者は自転車で自宅から約5キロ離れた現場付近を訪れた。ホームセンターで購入した小型のクラフトナイフを所持し、「好みの女の子を探していた」という。
辺りが薄暗くなった午後6時ごろ、公園で友人と遊んでいた女児が1人で自転車で帰宅。自宅の裏側に自転車を止め、玄関から入ろうとしたところ、「ちょっといい?」と声をかけ、正面から胸と腹付近を1回ずつ刺した。胸の傷は心臓まで達するほど深かった。
事前に着替えを用意していた勝田容疑者。犯行後に着替え、自転車で逃走し、凶器は「海に捨てた」。人目が少なく防犯カメラのない場所を選んだといい、着替えや凶器を用意していたことなどから計画的な犯行だった疑いが強い。
有力な物証はなく、捜査は難航。県警は岡山県の女児刺殺事件で逮捕、起訴され、無期懲役の判決が確定した勝田容疑者を今年5月から任意聴取し、たつの市と加古川市の事件への関与を認めたため、逮捕した。
だが、加古川市の事件で再逮捕された後は黙秘に転じた。「任意段階での供述の信用性が大きな意義を持つ」と捜査幹部。兵庫県警は、供述と客観的状況を突き合わせる捜査を慎重に進め、犯行を立証していく方針だ。(安田麻姫)