【ビジネスの極意】生産現場で重要な「リードタイム」とは?|リードタイムの意味・数え方・短縮方法を解説
「リードタイム」という言葉をご存じですか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」で、生産現場で重要な「リードタイム」の意味などについて学びましょう。 写真はこちらから→【ビジネスの極意】生産現場で重要な「リードタイム」とは?|リードタイムの意味・数え方・短縮方法を解説 * * * 生産現場で時間がかかりすぎる工程があり、悩んではいませんか。製品を製造する際に各工程の始まりから終わりまでにかかる時間を、「リードタイム」と呼びます。このリードタイムが長いと、コストが余計にかかったり、在庫を余分に抱えたりといった事態に陥りやすく、損失にもつながるでしょう。 この記事では、リードタイムの意味と短縮するメリット、および短縮する方法を紹介します。最後までお読みいただき、適切にリードタイムを短縮して企業の収益率を向上させましょう。
リードタイムとは? 数え方は?
リードタイム(Lead time)とは、各工程の始まりから終わりまでにかかる所要期間です。 物流においては、調達・製造・出荷・配達と、製品を受注してから納品するまでにかかる時間を指します。 他方で、IT業界では開発をリードタイムとして扱うなど、その意味は業界によって同一ではありません。 リードタイムは発注当日を起点として、翌日を「リードタイム1日」、その次の日を「リードタイム2日」と呼び、基本的に休業日を含まず、営業日単位で考えます。 例えば、9月1日に発注され、9月3日に納品された場合は「リードタイム2日」となります。 ◆開発リードタイム 開発リードタイムとは、製品の企画から製品・工程設計までの期間です。開発リードタイムには、開発におけるコンセプトを実現するために計画・実験などを繰り返していく「詳細設計」や、生産ラインや型を作り込んでいく「生産準備」の過程、資材や調達先の選定、製造から出荷までのプランニング、図面の作成なども含まれます。 製品を開発する際には、自社や競合の分析や市場調査などに時間を要します。そのため、日頃から市場の変化や世の中のニーズを適切に把握しておくと、リードタイムの短縮につながるでしょう。 そうして、開発リードタイムを短縮できれば、企業の成長スピードが加速することも期待できます。 ◆調達リードタイム 調達リードタイムとは、製品の生産に必要な部品や原材料を発注してから、工場などの生産現場に届くまでの期間を指します。 調達のリードタイムは、発注の時期や発注数、頻度のほか、新規または既存の取引先かによって変わってきます。ときには、調達先の選定や交渉も必要になるため、長期になってしまうケースがある点を心に留めておきましょう。 部品や原材料の発注先の生産リードタイムや配送リードタイムによっても、自社の調達リードタイムは異なります。多くの種類の部品を使っている製品は、あらゆる場所から材料を調達しているケースがあるため、多くの場合で調達リードタイムが長くなります。 ◆生産リードタイム 生産リードタイムとは、材料を加工して完成した製品を発注先へ出荷するまでの期間です。 加工や組み立てといった作業そのものの所要時間だけでなく、発注されるまでの製品が倉庫にある時間や生産工程における待ち時間も含まれています。そのため、工程間の仕掛け在庫量に比例してリードタイムが増加します。それだけでなく、生産リードタイムでは製造ラインの不良による作り直しもすべてカウントしなければなりません。 製品ごとに製造ラインが大きく異なるため、各製品のリードタイムをあらかじめ把握しておくことが大切です。そうすることで、早期にエラーが発見でき、致命的な問題となる前に対応・対策することができるでしょう。 ◆配送リードタイム 配送リードタイムは「物流リードタイム」とも呼ばれ、工場や倉庫にある製品の出荷依頼があってから発注先に納品するまでの期間を指します。 倉庫での出荷指示や検品・ピッキングなどの準備、トラックやフェリーなどによる輸送の工程が配送リードタイムに当たります。 こちらは納品先への距離や配送先のルート、配送方法や人員により影響を受ける部分です。受注を電話やFAXなどで行うと人的ミスや共有漏れにより、配送リードタイムが長くなる傾向にあります。 配送リードタイムが長くなると顧客を待たせしてしまうだけでなく、販売機会を逃して損失を招いてしまうこともあります。