新一万円札の顔、渋沢栄一に学ぶ「本当に賢いお金の儲け方」…経営者はもちろん大谷翔平にまで支持されるワケ
お札の候補に「落選」してきた意外な原因
それにしても、ここまで日本経済の発展に寄与した偉人が、なぜこれまでお札の顔に選ばれなかったのか。1963年に千円札の候補に上がったが「落選」している。 その理由は意外にも単純で、「ひげ」がなかったためだという。当時の紙幣印刷技術では、肖像画に髭がないと偽造されやすい、という懸念があったので、この時はふさふさと髭を生やした伊藤博文が選ばれた。 渋沢が今の世の中を見たら、何と言うだろう。特定個人に資本が集中する巨大IT企業群や、何千倍という企業内報酬格差(参考記事:最大5000倍!社長と従業員の「報酬格差 」が止まらないカラクリ)をどう思うだろう。今の潮流は100年前に似ていると警鐘を鳴らすだろうか。そして、株投資は資産を増やすことを第一の目的にするのではなくて、増やした資産をどう世の中のために使うか、そこをまず考えなさい、そのために論語を読みなさい、と言うだろうか。
小出 フィッシャー 美奈(経済ジャーナリスト)