阪神・岡田彰布監督、聖域なき采配で監督通算700勝 今季初の近本外し…12安打8点の猛攻でメモリアル
(セ・リーグ、阪神8-1中日、12回戦、阪神7勝3敗2分、27日、甲子園) これやんか!! 阪神は七回に今季2度目の3者連続タイムリーが飛び出すなど、12試合ぶりの2桁安打で中日に8―1で快勝。1分けを挟んだ連敗を2で止めた。岡田彰布監督(66)は今季初めて近本光司外野手(29)を先発から外したオーダーを組み、史上20人目となる監督通算700勝を達成した。指揮官の節目に花を添えた猛打をもっともっと見たい。 これまでの鬱憤を晴らすかのように打線がつながった。久々の猛打で8得点。監督通算700勝の記念ボードを頭上に掲げた岡田監督に、歓喜のウオーターシャワーのような雨と虎党からの拍手が降り注ぐ。百戦錬磨の将がプロ野球の歴史に新たな1ページを加えた。 「こんなん久しぶりでしょ。(3―6番の)4人に(打点が)つくということは、4点以上取らなあかんからね」 覇気のない打線に度々苦言を呈してきた虎将が目を細めた。六回まで両チームゼロ行進も、七回に打線が目覚めて4得点。八回にも4点を加え、12試合ぶりの2桁安打となる12安打で快勝した。 今季71試合目でここまで全試合フルイニング出場だった近本を先発から外した。26日の中日戦(甲子園)では自身初の6打数無安打など、不振が続く斬り込み隊長にも〝聖域〟はなかった。4月14日の中日戦(バンテリンドーム)では昨季から全試合で4番を託してきた大山を5番に降格させ、5月16日・中日戦(甲子園)ではその大山を先発からも外した。この日を含め昨季の優勝を支えた主力を外す大なたを振るった試合では3戦3勝。磨き続けてきた眼力、勝負勘をフル活用し、監督700勝目をつかみ取った。 近本に代わって「1番・中堅」に入った島田は2安打3出塁。28日のヤクルト戦(神宮)については「(近本の復帰は)そんなん分からんよ。これで外したら島田怒りよるやろ。そんなん当たり前やろ。みんなプロなんやから、試合出てなんぼなわけやで。そこを脅かそうと思ってみんな練習してるわけやから」と競争をあおった。連覇のために必要と掲げている、チーム力の底上げを図るためだ。 球界最年長の66歳。愛車でのドライブがリフレッシュ法の一つで、評論家時代には高知・安芸キャンプに片道4時間かけて向かった。その代償でぎっくり腰を発症し、今でも腰痛に悩まされている。梅雨時は体の節々が痛み、背もたれのないマツダスタジアムのベンチは〝難敵〟だ。それでも、24、25日の倉敷遠征では岡山市内の鉄板焼き店に繰り出して英気を養った。そんなエネルギッシュな虎将に引っ張られるように、〝猛虎打線〟も復調気配を漂わせた。