低所得のひとり親世帯向け「児童扶養手当」も拡充を検討へ。児童手当との違いは
政府は物価高における新たな経済対策として、児童手当の拡充案を当初の予定より前倒しして支給していく考えを明らかにしました。 【児童手当の一覧表】現行では子ども1人あたりいくらの「児童手当」が支給される? さらに、低所得のひとり親世帯に支給される「児童扶養手当」も、拡充する方向で検討を始めています。 似た名前である「児童手当」と「児童扶養手当」ですが、金額や対象者は異なります。 今回は、児童扶養手当と児童手当の違いについて解説します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
児童手当と児童扶養手当との違いとは
現行の児童手当と児童扶養手当における制度や支給要件、支給額の違いについて、それぞれ確認しましょう。 ●児童手当とは? 対象者や金額 児童手当とは、子どもが生まれてから所定の年齢になるまで支給される手当です。 現行制度では中学生まで支給されて、子どもの年齢によって支給額が異なります。 子どもの人数に応じて支給されるため、3歳未満の子どもが2人いる場合の支給額は3万円です。 3歳以上小学生修了前の期間になると、第三子以降の給付額は1万5000円になります。 ただし、児童手当は所得制限があるので、一定の所得を超えると支給額が減額、または児童手当が受け取れなくなります。 ・所得制限限度額:児童手当が5000円の特例給付となる上限所得 ・所得上限限度額:児童手当が支給されない上限所得 それぞれの所得額の目安は、下表を参考にしてください。 以上から、児童手当は子どもが産まれたら手当として受け取れますが、一定の所得を超えている場合は支給されない制度です。 では、児童扶養手当の制度について確認しましょう。 ●児童扶養手当とは? 対象者や金額 児童扶養手当は、ひとり親世帯をはじめ、父母と生計を同じくしていない子どもの支援を目的にしている制度です。 支給要件は、前年の所得に応じて「全部支給」と「一部支給」のどちらかに該当すると支払われます。 18歳未満の子どもを養育している人数に応じて支給されますが、児童手当と異なり子どもの人数ごとに支払われません。 支給額が加算されるだけなので、注意しましょう。 児童扶養手当の「全部支給」か「一部支給」のどちらに該当するかは、下表の所得要件を確認してください。 以上から、児童扶養手当は低所得のひとり親世帯を支援するための制度です。 18歳未満の子どもに対して手当が支給されますが、支給額は前年の所得に応じて決定します。 では、児童手当の拡充案について確認しましょう。