四つ目文字盤に注目、“ブライトリング”の隠れ名作時計【 ナビタイマー エアボーン】90年代の異色モデル
第2次大戦が終結を迎えて軍事、民生の両面で市場規模を急速に拡大する航空界に向けて開発され、1952年に初出となる名作ナビタイマー。ナビタイマーとは航空・航海を意味する“Navigation”と時計を意味する“Timer”を組み合わせた造語で、名前が示すとおりパイロットのために開発されたクロノグラフである。 【画像】エイジングした文字盤、ブルースチール針を拡大してもっと見る 最大の特徴はフライトコンピューター(航空計算盤)をベゼルに備えた点だ。航空機のパイロットは飛行計画書を作成することが義務付けられており、航行に必要な各種の計算にはフライトコンピューターと呼ばれる大型の航空計算盤が使用されてきた。 ナビタイマーはタイプ52と呼ばれる航空計算尺をベゼルに搭載することで、大型の航空計算盤を取り出すことなく、時速から分速への換算、マイル速度からキロ速度への換算など、フライト・プランにまつわる各種の計算を手軽に行えるようにしたのだ。
ここで紹介するナビタイマーエアボーンは、そんなナビタイマーの派生モデルとして95年から限定生産された異色モデルだ。通常のナビタイマーは三つ目の仕様で3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを備えるが、デュボワ・デュプラのモジュールを加えたブライトリング 33を搭載し、通常とは異なる四つ目の仕様にアレンジが加えられている。 12時位置にポインターデイト、3時位置にスモールセコンド、6時位置に3時間積算計、9時位置に10分積算計を配置。計測できる時間が最大3時間までと短いが、一般的な12時間積算計よりも計測時間が短い分、視認性が高められた印象だ。複雑な意匠ながら、シンメトリーなレイアウトによってバランスの良いデザインに仕上げられているのも魅力と言えるだろう。 写真のRef.D33030はイエローゴールド×スチールのコンビだが、スチール仕様のRef.A33030、金無垢仕様のRef.K33030と、三つの仕様がラインナップされていたようだ。
文◎Watch LIFE NEWS編集部