秋と春が極端に短くなり、四季は"二季"に!? これから日本は猛暑&豪雪の「地獄気候」になる!
■北極の温暖化が日本に猛暑を招く! 日本の気候に起こっている根本的な変化とは何か。立花氏が次のように解説する。 「主な原因は地球温暖化です。まず、急激な温暖化により、北極の海氷が解け始めました。北極が極寒な理由のひとつは、そこが雪と氷に覆われた白い世界だからです。白い部分が多いと太陽光を反射し、温度の上昇を防いでくれます。 しかし、海氷が解けて白い部分が減ると、太陽光を反射できず、ほかの地域に比べて温暖化が加速しやすくなります。 しかも北極の海氷が解けると、北極周辺の海に太平洋の暖かい水が流入しやすくなります。海水温が上がることで周辺地域の気温も上がり、シベリアの永久凍土も解け、そこに閉じ込められていたメタンガスが放出されています。 メタンガスにはCO2の約25倍もの温室効果があるため、さらに北極の温暖化が進むという悪循環にはまってしまっているのです」 しかし、北極は日本からはるか遠い地域だ。いかに温暖化が深刻な状況とはいえ、なぜ日本の気候まで大きく変えてしまうのか。 「日本に異常気象をもたらす大きな要因は『偏西風』の蛇行です。偏西風は北の冷たい空気と南の暖かい空気の間で、西から東へと吹きます。シベリア大陸と熱帯地域に挟まれた日本は、その影響を受けやすく、もともと天候が変化しやすい地理条件にあります。 偏西風は川の流れと同じように、流れが速いと真っすぐ進み、流れが遅いとダラダラと蛇行します。大陸から吹いてくる偏西風は日本付近で北に曲がります。 温暖化で陸地の温度が上がり、それを避けるように北へ北へと向かうようになったのですが、その蛇行が2010年頃を境に激しくなりました。そのため、熱帯の暖かい空気が日本の上空に入り込みやすくなり、日本が狙い撃ちされたように猛烈に暑くなりました。 そして、偏西風の流れというのは、南北の温度差が大きければ速くなり、温度差が小さければ遅くなります。近年に偏西風の蛇行が激しくなったのは、北極と赤道の温度差が北極の温暖化によって縮まってきたからです。それだけ北極の温暖化は急激に進んでおり、その影響が偏西風を通して日本にまで及んでいるというわけです」 さらに、日本が暑くなったことで、日本近海の海水温も上がっている。 「日本近海の海水温の上昇率は世界トップです。今や例年より5℃、海域によっては7℃も上がっています。海水温の高い場所では水蒸気を多く含んだ雨雲が発生しやすく、それが日本に大雨をもたらしています。 熱帯から暖かい海水を運んでくる黒潮も寒流に阻まれることなく北上しており、それもさらなる海水温の上昇を招いています。 今年の夏は観測史上で最も落雷が多発しました。多くの人が『やけに雷が多いな』と感じたはずです。暑いだけなら雷雨にはなりません。 雷が鳴る重要な要素は水蒸気を大量に含んだ雲です。それが海水温の上昇によって発生しやすくなりました。ゲリラ豪雨どころかゲリラ雷雨まで頻発するようになった理由は、ここにあります」