9月の米利下げ、市場の予想は50bpに傾く-小売売上高発表後も
(ブルームバーグ): 8月の米小売売上高が発表されたが、債券トレーダーらは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを決定し、金利引き下げサイクルを開始するとの見方に傾いている。
FOMCが18日に50bpの利下げを発表することについて、市場が織り込む確率は約55%だった。小売売上高では、米国の消費者が持ちこたえていることが示唆された。25bpの利下げについては完全に織り込まれている。
Tロウ・プライスの米国担当チーフエコノミスト、ブレリナ・ウルチ氏は、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「事実上、確率は五分五分だ」と指摘。「あす50bpの利下げが決定される可能性はある」としたほか、FOMC参加者の経済予測については「金利予測分布図(ドットプロット)では今年全体で100bpの利下げが恐らく示されるだろう」と予想した。
8月の米小売売上高は市場の予想外に増加した。オンライン購入に支えられた。その他の分野は強弱まちまちだった。
ブルームバーグのマーケッツ・ライブ(MLIV)のマクロストラテジスト、サイモン・ホワイト氏は「8月の小売売上高は全体で予想を上回った。それは力強い先行指標に沿った数字だが、今週どちらかと言えば確率が高いと市場が引き続き考える50bpの利下げとは整合しない」と分析した。
ただスワップ市場では、11月の会合までに約76bp相当の緩和がなお織り込まれている。これは今後2回の会合のうち1回で50bpの利下げを示唆するものだ。
今後1年では243bpの利下げが織り込まれており、このペースが実現すれば、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は3%に向け低下することになる。
原題:Bond Traders Favor Half-Point Rate Cut Despite Retail Sales Data、Bond Traders Favor Half-Point Cut in Fed’s ‘Coin Flip’ Decision(抜粋)