視覚障害、先端技術でサポート 音などで伝達、製品一堂に 東京
視覚障害者の日常生活を支える製品やサービスを一堂に集めた展示会「サイトワールド2024」が1日、東京都墨田区のすみだ産業会館で開幕した。 企業や研究機関など42団体が先端技術を駆使し、視覚で得られる情報を音や触感に変えて伝える製品などを出展している。会期は3日までで、4000~5000人の来場を見込む。 電子部品大手アルプスアルパインは、進行方向に障害物を検知すると振動で伝える帽子「ロービジョンハット」を公開。外側の前方にセンサー、内側に振動部品を搭載している。 開発チームのリーダーで、自身も視覚障害がある鈴木啓三さん(51)は「自分が欲しいものを作れば自分と同じ症状を持つ方の役に立てる」と開発の動機を語る。 人の声で操作できるIHクッキングヒーターを出展したのは三菱電機。米アマゾン・ドット・コムの音声対話型人工知能(AI)「アレクサ」と連携させて使用し、声を掛けると自動で温度などを調節する。 ソニーは、ソフト開発会社のコンピュータサイエンス研究所(北九州市)と組み、スマートフォン向け歩行支援アプリの体験ブースを設けた。ソニー製のイヤホンを着け、スマホのカメラで周囲の様子を認識させると、「横断歩道」「点字ブロック」などと知らせる音声が聞ける。イヤホンは耳を完全にふさがないデザインで、装着したまま周辺の音も聞き取れる。 サイトワールド事務局長の荒川香織さん(47)は「視覚障害は情報障害。一人でも多くの当事者に情報を届けたい」と話している。