ブラックストーン、プライベートクレジット市場は30兆ドルに拡大へ
(ブルームバーグ): 米投資会社ブラックストーンはインフラプロジェクト向け融資や年金基金の参入の広がりにより、プライベートクレジット市場が30兆ドル(約4400兆円)規模に拡大すると予想している。
ブラックストーン・クレジット・インシュランス(BXCI)部門のインフラ・資産担保型クレジット担当グローバル責任者ロブ・ホーン氏は「実体経済に融資される機会は、クレジットカードであれ設備であれ、データセンターや航空機であれ、おおよそ30兆ドルの規模に上る」と述べた。
プライベートデットは、ここ10年で急拡大し、約1兆7000億ドルに達した。ホーン氏はブルームバーグ・インテリジェンスのポッドキャストで、「これは、全体的な機会のほんの一部に過ぎない」と語った。
市場規模が25兆ドルに達すると今年予測していたブラックストーンは、プライベートローンの借り手が信用力の比較的高い企業にシフトしている一方で、投資家サイドでは、「流動性指標が悪化している」公開市場からの資金流出が増えていると見る。ホーン氏は「公開市場で得られるものとは異なる有形資産担保を得られるだけでなく、高いリターンも獲得できる」と述べた。
ホーン氏によると、資産担保型クレジットに早期から投資していた保険会社は、現在でもエクスポージャーは3%程度にとどまっている。年金基金や政府系ファンドも、プライベートデットの高めのリターンに注目し始めており、ホーン氏は、資産担保型融資を追加して主流になると予想。「現時点でポートフォリオに占める割合が0%や3%であろうと、負債特性に応じて10%や20%に増やす余地は確実にある」と指摘した。
実体経済に融資を行う銀行は現在、資産担保型クレジット市場で90%を占めるが、ホーン氏は民間の貸し手がシェアを奪うと予想する。「資本ニーズは極めて大きい」一方で「銀行は自行の中核分野に焦点を絞っている状況がみられる」と付け加えた。