思い入れのある亡くなった夫の愛車。処分をせずに毎年5万円の自動車税を払わずに済む方法はありますか?
思い入れのある車をそのまま残しておきたい場合や、諸事情により廃車できない場合もあるでしょう。 車を売却や処分せずにそのままにしておくと、毎年自動車税がかかってしまいます。しかし、適正な手続きを行えば、自動車税が免除になるほか、還付金まで受け取れる可能性もあるようです。 そこで今回は、運転しない車にかかる自動車税の免除方法や、受け取れる還付金について解説します。
一時抹消登録を行えば自動車税の支払いが不要となる
車の一時抹消登録を行えば、運転しない車をそのまま維持しても毎年かかる自動車税の支払いは不要となります。一時抹消登録とは、一時的に車の登録を抹消して、その期間中の公道の運転を停止する手続きのことです。 例えば、廃車にしたくない場合や海外出張、入院などで一定期間車に乗らない場合などに利用できます。もし一時抹消登録を行ってから再度車を運転する場合は、住んでいる管轄の運輸局に必要な書類を提出して受理されれば、また公道を走れます。 また、一時抹消登録のほかに永久抹消登録もありますが、永久抹消登録は手続きすると車を解体するため、二度とその車を運転できません。
一時抹消登録の手続き方法
一時抹消登録の手続きは住んでいる地域の運輸局で行え、おもに以下のものが必要となります。 ・印鑑 ・印鑑証明書 ・車検証 ・ナンバープレート ・申請書 ・手数料印紙 これらを用意したら、管轄の運輸局に行き窓口で手続きを行います。運輸局によりほかの書類などが追加で必要となる可能性があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
一時抹消登録をした場合に受けられる還付金
一時抹消登録を行った場合は、時期に応じてこれまでに支払った自動車税や自賠責保険料の還付を受けられます。ここでは、自動車税と自賠責保険の還付金がどれくらい受け取れるのか解説します。 ◆自動車税の還付金 自動車税は毎年4月1日時点で、所有している車の排気量に応じて1年分をまとめて支払います。一時抹消登録をすると、自動車税を月割りにして車を乗っていない期間分の合計を還付金として受け取れるのです。 仮に、自動車税を支払った年の6月に一時抹消登録をしたとすると、残り9ヶ月間分の自動車税の還付を受けられます。 排気量が1リットル以下の車であれば、自動車税が年額2万5000円(令和元年10月1日以後初回新規登録)かかるため、1万8750円程度のお金が戻ってくる可能性があります。 ただし、軽自動車の場合は一時抹消登録を行っても還付金の対象外となっている点に注意しましょう。 ◆自賠責保険料の還付金 自動車税にくわえて自賠責保険料も還付金の対象となります。自賠責保険の場合は運輸局ではなく、加入している保険会社に問い合わせる必要があります。基本的には自動車税の場合と同様に、月割り計算で還付される仕組みです。 例えば、自家用車の25ヶ月分の自賠責保険料は1万8160円(沖縄県以外)であり、保険期間終了日まであと半年あるとすると、4300円程度の保険料が戻ってくる可能性があります。 自賠責保険料の還付に関しても保険会社により手続きや還付内容が異なる場合があるため、事前に確認を行いましょう。
しばらくの間車に乗らないのであれば一時抹消登録を行おう
現在車を所有していてしばらく運転しない場合や、乗らない車を保管しておきたい場合は、一時抹消登録を行うことで、毎年かかる自動車税など税金の支払いが不要となります。さらに、一時抹消登録時期によっては、これまで支払った税金や自賠責保険料の一部が戻ってくる可能性もあります。 税金と保険で手続きを行う場所や方法、必要なものが異なるため、事前に確認をしておきましょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部