パナソニックが佐賀工場閉鎖へ…監視カメラや補聴器を製造、東京ドーム1・3個分跡地は自治体とも協議
パナソニックホールディングス（HD）は4日、監視カメラや補聴器を製造する佐賀県鳥栖市の佐賀工場を2025年9月で閉鎖すると発表した。生産体制の見直しに伴い、ほかの拠点に生産を移管する。約150人の従業員は配置転換などで雇用を維持する。跡地は売却したり貸し出したりする方向で検討している。 【写真】3D画像によって制作され完成した補聴器（佐賀県鳥栖市のパナソニックコネクト佐賀工場で）＝中山浩次撮影
工場を運営する子会社のパナソニックコネクトによると、佐賀工場は1964年に乾電池の製造拠点として操業を始めた。プリンターやファクスなど生産品目を変え、最盛期の2000年頃には約800人の従業員を雇用していたが、その後、生産が減少していた。
現在は、監視カメラなどの生産を担うコネクト社の従業員約120人のほか、補聴器を製造する別のグループ会社の約30人が所属しており、いずれも配置転換や転職支援で対応する。各製品の移管先は検討中。跡地は東京ドーム1・3個分の約6万平方メートルに及ぶがグループ内で使う予定はなく、活用策は自治体とも協議する。
この日、佐賀工場で記者会見したコネクト社の新家伸浩執行役員は「努力不足もあり、維持できなくなった。近隣へのインパクトは大きく申し訳ない。雇用維持に全力を尽くす」と話した。
