山梨学院の守備に騒然…右翼ガラ空き、内野5人シフト センバツ
第94回選抜高校野球大会は第3日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、山梨学院は木更津総合(千葉)との関東勢対決で、延長十三回タイブレークの末、1―2で敗れた。 【写真でみる】山梨学院 vs 木更津総合 甲子園に困惑の沈黙と、直後に驚きのざわめきが広がった。タイブレークが適用された1―1の延長十三回裏無死一、二塁。守る山梨学院が珍しい極端なシフトを敷いたのだ。中堅手が内野へ前進し、二塁手の定位置近くへ。一塁手と二塁手は投手の左側まで前進。外野は、右翼手が中堅にスライドした。右翼はガラ空きとなる「内野5人シフト」だ。 タイブレークにおいて、先攻側は表に得点を奪えないと、裏の守りでは1点失えばサヨナラ負けという窮地に陥る。そこを突破するために鍛えてきた秘策だった。 だが、吉田監督と守りの要である捕手・佐仲の思惑はずれていた。吉田監督はバントで1死二、三塁とされることを警戒した上で「打たせたかった」と説明。佐仲は「一塁から二塁の間の方向にバントさせようとした」というのだ。 結果的には、吉田監督の狙い通り、強攻策に切り替えた木更津総合の3番・菊地は左飛。ところが、タッチアップで二塁走者を三塁に進められたのが痛かった。4番・水野を申告敬遠で歩かせたものの、最後は押し出し四球で終幕を迎えた。 吉田監督は試合後「厳しい作戦を使いすぎた」と反省した。シフトしかり、満塁策しかり。勝負手は必要だが、意思疎通、プレーの質、運不運など、多くの不確定要素が絡む。だからこそ、野球は面白いのだが、難しくもある。【岸本悠】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。