不労所得を生み出す方法

投資収入 配当株：配当株は、会社の利益の一部を定期的（通常は四半期ごと）に株主に支払う。優良なオンライン証券アプリは配当金の支払いや再投資の機能を提供しているので、配当株を利用して不労所得を生み出すのは簡単だ。 しかし、配当株があるからといって、必ず不労所得が生じるわけではない。収入が得られるかどうかは、景気によって大きく左右される。また、ある程度の収入を生み出すには、かなりの額を投資しなければならない。 たとえばコカ・コーラ社（KO）は、2024年の四半期配当として、1株あたり0.44ドル（約63円、1ドル=141円換算：以下同）を支払った。1年に換算すると1.76ドル（約251円）だ。コカ・コーラの株が60ドル（約8549円）で売られていたと想定してみよう。この場合、年間1万2000ドル（約171万円）の配当を得るには、およそ41万ドル（約5843万円）分の株式を買わなければならないのである。 債権：債権を買うとは、基本的に特定の期間、発行者（ほとんどは政府か企業）にお金を貸すことを意味している。その見返りとして定期的に利息が支払われ、満期が来ると元本残高が返済される。 債権や債券ファンドにはさまざまな種類があり、そのどれもが、それぞれ独自のリスクや利息と結びついている。たとえば米国債は、米国財務省が発行し、最もリスクの少ない投資法の一種とみなされている。しかし投資の基本として、リスクが少なければ少ないほど、たとえば社債のようなリスクの比較的高い選択肢よりも、利益も少なくなると言える。 P2Pレンディング：P2Pレンディグ（ソーシャルレンディング）を利用することで、個人は銀行を介さずに他者から直接お金を借りたり貸したりできる。取引相手は銀行のような役割を担い、借り手にお金を提供する代わりに、見返りとして利息を受け取る。 通常、ソーシャルレンディングを通じて借りられるのは1000ドル（約14万円）から2万5000ドル（約356万円）ほどで、インターネット上のデジタルプラットフォームやマーケットプレイスで取引が行なわれる。 高利回りの預金口座や定期預金口座：普通預金口座や定期預金口座にお金を預けても、通常は不労所得と呼べるほどの額のリターンは得られない。しかし、アメリカでは連邦準備制度が金利を引き上げたため、高利回りの預金口座や定期預金口座は、2023年時点で3％から5％の金利を支払うようになった。 どちらも連邦預金保険公社の保護を受けるため、市場のリスクや変動に影響されないという追加の利点もある。つまり、預金すれば、その額に応じて予測可能な額の利益が確実に得られる。 注：定期預金には満期がある。満期日になる前に預金を引き出すと、銀行によっては早期引き出し手数料が発生する場合がある。加えて、ほとんどの高利回り預金口座では、毎月の振替や引き出し額に上限が設定されている。 不動産：不動産の賃貸は不労所得を生み出すための、あるいはその不動産の所有コストを相殺するための優れた手段だ。その際、不動産全体を貸し出すことも、一部だけを貸すこともできる。インターネットを通じて、不労所得を得るための不動産投資を始めることが可能だ。AirbnbやVrboなどが、第三者に所有不動産を提供するためのプラットフォームとして特に人気が高い。貸し出す前に、インターネットや自分の足を使って、地元地域の規則や規制について調べておいたほうがいい。また、建物の維持や管理に人員を雇う必要が生じることもある。事前に、そのような追加のコストについてよく考えておこう。 オンラインビジネス オンラインのコースやプロダクト：電子書籍やソフトウェアなどといったデジタル製品、あるいは縫い物や編み物などのインターネット販売も、試してみる価値はある。 以前は教師として働き、金融リテラシー系ブログ「ミレニアル・イン・デト（Millennial In Debt）」を立ち上げたメリッサ・ジャン＝バプティスト氏はこう語る。「私はクラスの生徒たちのためにガイドやグラフィックやテンプレートをつくることに慣れていたので、同じやり方で電子書籍やニュースレターなどのデジタル資産をつくって、収益化することにした。新しいスキルを学ぶ必要も、高いお金を払って資格を得る必要もない。自分の教育者としてのスキルを生かすことで、ほとんど経費をかけずに不労所得を生み出せたのだ」 そうは言っても、高品質なデジタル製品をつくるには、多くの時間がかかることもある。また、儲かる製品をつくるには、高いスキルやテクニックが必要になる。 アフィリエイト広告：商品を紹介した個人が販売成功報酬を受け取るタイプのオンラインビジネスは、アフィリエイト広告と呼ばれている。個人は自分のウェブサイトやソーシャルメディアアカウントで企業のために製品やサービスの宣伝を行なう。閲覧者がリンクをクリックして、その製品やサービスを買ったら、宣伝した人が成功報酬を受け取る。 「自分がよく知っていて大好きな製品やサービスを宣伝して、報酬が得られるのはうれしいことだ」とグラント氏は言う。ただし、アフィリエイト広告プログラムを利用するなら、閲覧者に自分が宣伝を行なっている事実を開示すること。 アフィリエイト広告で得られる収入の多さは、業界やブランドによってまちまちだ。アフィリエイト広告を見てサインアップした人ひとりにつき5ドル（約712円）から25ドル（約3562円）支払う企業もあれば、75ドル（約1万687円）以上支払う企業もある。 知的財産の使用料 ロイヤリティ：ロイヤリティとは、音楽、書籍、特許、商標などといった知的財産の使用と引き換えに、個人や企業に支払われる対価を指す。通常、著作権保護された素材の使用で生じた総売上の数パーセントがロイヤリティとして支払われる。 ロイヤリティを通じて得られる利益の額は、プロダクトの種類やその使用頻度によって決まる。たとえば、自費出版する場合は、みずから価格を決めることが可能なので、潜在的な収入額を自分でコントロールできる。 一方、音楽作品のロイヤリティは、仕組みがまったく異なっている。音楽のストリーミングの場合、プラットフォームによっては250回再生されるまで1ドル（約142円）も稼げないこともある。また、知名度とマーケティングも、収益に大きく影響する。 所有物のレンタル 自動車のレンタル：家や部屋と同じように、車を貸し出すことでも収入が得られる。Turoのようなプラットフォームを使えば、自分の車をレンタル用に登録し、料金を受け取ることが可能だ。しかし、どれだけの利益が得られるかは、車種、状態、希少さ、走行距離などによって変わる。 洗車やメンテナンスに初期費用がかかるが、リストに載れば収益が得られる。ただし、レンタル市場のあいだにも優劣があり、あなたが貸し出す車種が特定の市場で、ほかの市場よりも人気が出る可能性もある。 道具や機器を貸し出す：ソーシャルレンディングや自動車レンタルと同様、のこぎり、ドリル、はしごなども時間単位で貸し出すことが可能だ。ShareGridのようなオンラインマーケットプレイスを使えば、カメラ機材が貸し出せる。Rentalという別のオンラインマーケットプレイスでは、ベビーカーや自転車など、幅広いアイテムを貸し出すこと可能だ。 貸し出すものによっては維持費がかかることや、場合によっては保険をかけておいたほうがいい場合もある。適切なマーケットプレイスと需要さえ見つかれば、収益の可能性を拡大することもできるだろう。