「S&P500」だけでは捉えきれない米国株式市場の転換、FTSE Russellの指数が示唆する変化
米国株式への投資は現在、「S&P500」に連動するインデックスファンドに人気が高いが、「S&P500」は米国大型ハイテク株の影響が強いという指摘があった。当然、米国の株式市場は大型ハイテク株ばかりではない。ただ、2020年3月のコロナ・パンデミックからの回復過程においては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展が社会を変えるという見方が強まり、米国テクノロジー企業への注目度が急速に高まった。結果的に、「S&P500」や「NASDAQ100」といった株価指数に連動するインデックスファンドのパフォーマンスが優れたものになっていた。現在は、それら大型ハイテク株の株価が上昇し過ぎて割高になっているのではないかという反省がある。
「ラッセル」指数は1984年に始まり、既に40年の歴史がある指数だ。ここ数年は「ラッセル1000グロース」が際立って高いパフォーマンスをあげてきた。これは「S&P500」のパフォーマンスに重なる。ただ、過去40年は常に「ラッセル1000グロース」が優位だったわけではない。「ラッセル」の4つの指数は、その時々の経済環境によって「大型」、「中小型」、そして、「グロース」、「バリュー」がそれぞれに活躍する局面がある。米国株式を見る時に「S&P500」だけを見るのではなく、「ラッセル」の4つの指数をみると、「S&P500」だけではない投資機会が見えやすくなるのかもしれない。
今、「S&P500」は割高という警戒感があるが、中小型割安株の「ラッセル2000バリュー」には投資機会があるという。9月12日に新規設定された「フィデリティ・マゼラン・米国成長株ファンド」のようなアクティブファンドも合わせて、様々な米国株への投資機会を考えるようにしたい。(イメージ写真提供:123RF)
ウエルスアドバイザー