「S&P500」だけでは捉えきれない米国株式市場の転換、FTSE Russellの指数が示唆する変化
FTSE Russellは、米国株式の代表的な指数として4つの指数がある。大型株指数である「ラッセル1000」と中小型株指数である「ラッセル2000」。そして、大型株、中小型株それぞれに成長株グループの「グロース」と割安株を中心にした「バリュー」がある。
4つの代表的な指数の上位構成銘柄(2024年8月末)をみると、大型成長株の「ラッセル1000グロース」は、アップル(組入比率:12.4%)、マイクロソフト(11.5%)、エヌビディア(10.6%)、アマゾン(6.2%)、メタ(4.2%)となっている。2023年から2024年前半までをリードしてきた「マグニフィセント・セブン(M7)」銘柄が上位にあり、米国を代表する株価指数「S&P500」の上位銘柄と似ている。大型割安株の「ラッセル1000バリュー」は、金融やエネルギーなどが多く、バークシャー・ハザウェイ(3.5%)、JPモルガン・チェース(2.6%)、エクソン・モービル(2.1%)、ユナイテッドヘルス(2.0%)、ジョンソン&ジョンソン(1.6%)となっている。組入トップ5でも組入比率は2~3%程度と、グロースに比べると集中度合いが小さい。
一方、中小型成長株の「ラッセル2000グロース」は、FTAI Aviation(1.0%)、インスメッド(0.9%)、スプラウツ・ファーマーズ(0.8%)、Fabrinet(0.7%)、Vaxcyte(0.7%)となり、大型株グロースではほぼテクノロジー株式が上位を独占していることと比較して、資本財やヘルスケア、生活必需品などの業種が入っている。そして、中小型割安株「ラッセル2000バリュー」は、Southstate(0.6%)、Meritage Homes(0.5%)、Taylor Morrison Home(0.5%)、Jackson Financial(0.5%)、Essent Group(0.5%)となり、金融や一般消費財の企業が並ぶ。