親知らずを放置するとどんなリスクがある? 痛みや腫れ、費用など抜歯に関する疑問を歯科医が解説
親知らずの抜歯で気になること 抜歯中や抜歯後に痛み・腫れは出る? 費用はどのぐらい?
編集部: 抜歯したほうがいいとわかっていても、抜歯の痛みや腫れが気になって抜けない方も多いと思います。実際のところ、親知らずの抜歯は痛くないのでしょうか? 足立先生: 抜歯に際してはむし歯治療と同じ局所麻酔で痛みを感じさせなくするので、基本的に抜歯中は痛みを感じることはありません。ただ、腫れや痛みで炎症が強く出ている場合は、麻酔が効きにくいことがあります。 その場合でも麻酔を追加して痛みを抑えていくので、通常は痛みなく処置が受けられると思っていただいて問題はないでしょう。 編集部: 親知らずの抜歯後はいかがでしょうか? 抜いた後に腫れや痛みは出るのでしょうか? 足立先生: 骨の中に埋まっている親知らずは骨を削りながら抜いていくので、抜歯後に痛みや腫れが出やすくなります。 症状のピークは抜歯後2~3日で、通常は1週間ほどで落ち着くのがほとんどです。したがって、抜歯後1週間は痛み止めなどを服用しながら、症状をコントロールしていきます。 編集部: 親知らずの抜歯の費用に保険は適用できますか? また、費用の目安を教えてください。 足立先生: 親知らずの抜歯の費用は保険が適用できます。費用の具体例を1つ挙げると、骨に埋まっている親知らずを1本抜歯する場合、CT検査などの検査費用を含め5000~8000円前後となります。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 足立先生: 基本的に、親知らずがある人は20歳前後で抜いておくほうがベターだと考えます。若いうちは抜歯も簡単で傷の治りもスピーディーですし、早いうちから将来的なリスクを回避できます。 皆さんに知っていただきたいのは「10年前に戻ることはできなくても、10年後のお口の環境は今から作ることができる」ということです。 その時に抜かなかったことを10年後に後悔しても過去は変えられませんが、今抜いておけば10年後に起こりえるリスクは回避できます。ぜひそのあたりをふまえたうえで、親知らずの抜歯を検討していただければと思います。