マスターズレディース優勝、イ・ミニョン 無駄・無理のない捻転型スイング、参考にするのは今からでも遅くない 両ヒザに注目
【勝者のワザ】 JLPGAツアーに参戦して8年目のイ・ミニョンがマスターズレディースで優勝し、ツアー7勝目を挙げた。来日時から安定したスイングとコントロールされたフェードボールを武器に上位での戦いを続け、キャリアを積み重ねてきた。 【写真】イ・ボミが大会アンバサダーとして大活躍 サイン会や写真撮影会を開催 今年のマスターズレディースでは、初日にトップに立ち、最終日もトップで迎えて逃げ切り優勝を果たした。 32歳。すっかり若返り、20代の優勝者が続く女子ツアーにあってイは今シーズン初の30代優勝者として名乗りを挙げた。 イの安定したスイング、ショットは、アドレスで約束されている。注目すべきは、両ヒザのポジションである。 多くのアマチュアゴルファーがアドレスで両ヒザを内側に絞っている。下半身ターンが容易になり、スエーを防いでボールを確実にヒットするためには有効ななのだが、今となっては、いかにもオールドスタイルに見える。実は、ニーアクションが重視されていた時代の遺物のような構えが、両ヒザを内側に絞ったアドレスなのだ。現在のツアーでは、もはやめったに見かけることがなく、イのように両ヒザはわずかに曲げるだけで、しかも、バックスイングで間隔が狭まるようなこともない。 両ヒザを正面に向けたまま、胸面を右にターンさせていくのが現在のトレンドとなっている。こうすると、テークバックで左ヒザが右ヒザに寄せられる動きは生じにくく、十分にひねられたトップスイングへとつながっていく。回転型スイングよりも捻転型スイングの方が不要な体の使い過ぎにならず、より少ない運動量で最大のエネルギーを蓄えられるから再現性も高くなる。 ダウンスイングでは、左ヒザをアドレス位置に戻すように踏み込む。こうすることで、地面反力も利用でき、より大きなパワーをボールに伝えられるようになる。驚くべきことにイは、来日時から、すでに、この最新式スイングを身につけていた。 イの無駄、無理のないスイングを参考にしたスイング作り。今からでも遅くはない。 ■イ・ミニョン 1992年3月13日生まれ、韓国・京畿道出身。成均館大(韓国)出身。10歳からゴルフを始め、18歳の2010年プロ転向。同年に韓国2部ツアーで優勝し、13年に同レギュラーツアーで初優勝した。15年に腎臓がんの手術。復帰して16年に日本ツアーの予選会を突破し、17年に「ヤマハレディースオープン葛城」で日本初優勝するなど2勝。19年も2勝した。日本通算7勝。168センチ。