プーチン愛国主義を支える歴史教科書
ロシアの教科書検定
Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin via REUTERS
ウラジーミル・プーチン大統領は国民の愛国心涵養のために歴史教育を重視している。 中でも、ロシアのナショナル・アイデンティティの中核をなす大祖国戦争(1941~45年の独ソ戦のロシアでの呼称)に対する思い入れは一段と強い。そのため、プーチン大統領はロシアの歴史認識を批判する近隣諸国を意識して、「西側がドイツへの融和を図ったミュンヘン協定が第2次世界大戦の原因だった」「ミュンヘン協定で孤立したソ連はドイツとの不可侵条約を結ぶしかなかった」などと独自の主張を展開している。 また、2004年にウクライナで欧米との関係強化を掲げたヴィクトル・ユーシェンコ政権が誕生した「オレンジ革命」やNATO東方拡大について、西側を非難してきたのは周知のとおりだ。
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西山美久