会議めぐるブログ記事で共産党「追放」 「ご飯論法」作者・神谷貴行氏が提訴前に語った「党の存在意義」
ボロボロでも古民家のように作り直して「少し役立てる」
―― 23年の福岡県議選に党公認で出馬した砂川絢音さんも除籍されました。どこの党でも高齢化は問題ですが、若い人が去ってしまうと、先細り感が強まりますね。 神谷: 私が見ていても、すごく優秀な活動家の人ばかりです。いろいろ人を組織する力や訴える力があり、真面目に勉強もする。本当に共産党にとって宝のような人たちだと思っていたのに、党幹部がそれを潰して回っている、というのが今起きている事態です。(党は)「どうして議席が減るんだろう」と言いますが、「あなたたちのせいですよ」としか言えません。 ―― そんな共産党でも、復帰したい理由を改めてお聞かせください。例えば23年6月に除籍された南あわじ市議会議員の蛭子智彦氏は、復帰は「今の党なら、全然希望しないですね」と答え、今の共産党は「国民の利益と齟齬(そご)がある政党」とまで話しています。現時点での共産党の存在意義について、どのように考えますか。 神谷: よく「新党作らないの?」と言われることがありますが、共産党には一朝一夕にはできない役割があると思っています。3点あります。ひとつは、地域に根ざしたネットワークがあり、困った人の駆け込み寺になっているという点です。2つ目が、今回の赤旗のスクープのように、不正追及のための人的リソースがあるという点です。3つ目が、独自の政策集団を持っているので、不十分な点はあるかもしれませんが、官僚に頼らずに「こういう新しい道がある」と示せる点です。仮に私が新しい旗を立てたとしても、どれもすぐにはできません。もうボロボロではあるのですが、メンテナンスして、古民家のような感じで作り直して、もう少し役立てる方向にしたいと考えています。 共産党中央委員会広報部は、神谷氏による提訴を前に、 「神谷氏の訴状が届いているわけでもありません。したがってコメントは控えます」 とする談話を出している。 神谷貴行さん プロフィール かみや・たかゆき 1970年愛知県生まれ。京都大学法学部卒。全学連委員長など歴任。88 年に日本共産党に入党。95 年より党職員。2006 年から福岡県委員会に勤務。党福岡市議団事務局長・県委員・県常任委員など歴任。18年に福岡市長選に立候補(無所属、共産推薦)。ペンネーム「紙屋高雪」(かみや・こうせつ)で「"町内会"は義務ですか?」(小学館新書)、「マンガの『超』リアリズム」(花伝社)、「不快な表現をやめさせたい!? 」(かもがわ出版)など著書多数。「ご飯論法」の命名者として「2018 ユーキャン新語・流行語大賞トップ10」を上西充子氏と共同受賞。