会議めぐるブログ記事で共産党「追放」 「ご飯論法」作者・神谷貴行氏が提訴前に語った「党の存在意義」
「松竹に同調するやつはパージする」という「裏テーマ」
―― 神谷さんは18年には共産党推薦で福岡市長選に出馬するなど、いわば党から「推されて」いたわけですが、なぜパワハラのようなことをされるようになってしまったのでしょうか。「松竹問題」に過敏に反応しているのでしょうか。それとも、それ以前からの問題なのでしょうか。 神谷: ベースになっている組織の問題というものはあるのですが、やはり党幹部が松竹問題に過敏な反応をしているのが、今起きている問題の一番の本質だと私は思っています。私が松竹問題にからんで異論を言ったために睨まれた、ということです。ある会合で県委員長が発言した内容の記録があります。私に向かって話した内容を会合で紹介しています。 「あなたは重大な間違いをしているんだから反省すべきだ。自分(神谷氏)は松竹擁護について間違っていたと。反省して自己批判しなさい。そうすれば救われる。党に残れる。処分も受けるかもしれないけど、松竹氏みたいに除名とか、ああいうふうにはなりませんよ」 つまり、「松竹問題で間違えたので悔い改めろ。そうすれば助けてやる」という脅しです。これは(自分が除籍・解雇される原因になった)規約違反の問題では公式には問われていない点で、「松竹に同調するやつはパージする」という「裏テーマ」があるわけです。あまりにも理不尽です。 ―― いったん「表のテーマ」についてうかがいます。福岡県委員会は神谷さんの除籍・解雇を発表する中で、「県委員会総会で誤りであると退けられた自分の意見を、県委員会総会の議論とともに、勝手にブログで発表した」ことを問題視しています。神谷さんは、ブログでは議論の内容は明らかにしていない、と反論していますが、実際のブログには 「私の発言に対して、数名の参加者から反論的な意見が出されました。これらをまとめ、それを聞いた私の認識として書き直せば次のような点になるでしょう」 とあります。これは議論の内容を公開したことにならないのですか。 神谷: 私への反論だと勇んで発言した会場の意見は私の言ったことや松竹問題とは関係ないものが大半でした。松竹氏との思い出話を語る人など「しょうもない」部分が多い上に、議論の内容を紹介することもできないので、私はあのブログで、赤旗の記事の中から、「なぜ松竹さんの除名を正当化できるのか」という論点をコピペしただけです。議論の内容を一切書かずに、党中央は私のような見解をどうやって批判しているのかを紹介したに過ぎません。 ―― 先ほどの「ベースになっている問題」についていえば、24年に入って、現役党員を名乗る人が複数回にわたって匿名で記者会見し、党内のセクハラやパワハラを訴えています。こういった問題は、松竹問題よりも前からあったのかもしれませんが、最近になって一気に噴出した感があります。 神谷: 以前から「除籍」が「簡単な除名」として使われ、パワハラがその手段として使われることはありました。ですが、SNSが発達したり、松竹問題が社説含めてメディアで多く取り上げられたりするなど、党組織の側ではない事情で可視化される条件が整ってきたように思います。