会議めぐるブログ記事で共産党「追放」 「ご飯論法」作者・神谷貴行氏が提訴前に語った「党の存在意義」
赤旗「2000万円」スクープでも議席減の不思議
―― これだけ過敏に党が反応するのはなぜだと思いますか。共産党にとって重要な「民主集中制」に関係する議論だからですか。それともトップのパーソナリティーによるものですか。 神谷: この問題については「外れ値」のような暴走の仕方です。推察でしかないのですが、これはトップの方のパーソナリティーに起因しており、それを誰も止められない組織の体質が重なって、複合的・構造的に起きている問題だと思います。 ―― 「トップ」といえば、1月には00年から委員長を務めていた志位和夫氏が退任し、田村智子氏が新たに就任しました。この10か月ほどで、党に何か変化はあったと感じますか。ブログの書き込みが問題視されたのが志位氏の時代、除籍・解雇が決まったのが田村氏の時代ですが......。 神谷: おっしゃる通り、表面的には悪化しています。志位時代には調査にとどまっていたのに、田村時代になったら私を除籍した、というのが表面的には起きたことです。党の登記を取ったら、今でも代表者は志位さんです。(党は)「国内政治での代表は田村さん」という言い方をしているので、それ以外の部分は実は今でも志位さんが代表で、事実上のツートップということだと思います。 ―― 10月27日に投開票された衆院選の期間中、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が、自民党本部が裏金問題で非公認にした議員にも2000万円を支給したことを報じました。これは自民党にとって大きな打撃になったと考えられています。そもそも、裏金問題も赤旗の特ダネでした。にもかかわらず、共産党は公示前の10議席を8議席に減らしてしまいました。なぜこんなことが起こるのでしょうか。 神谷: 長い党員人生で、選挙の途中で共産党が打ったヒットが、これだけ世間に反響を与え、選挙結果に響いた例は見たことありません。「しんぶん赤旗の~」「共産党の~」といった出典はテレビや新聞でも繰り返し報道されるわけで、議席が「爆増」はしないとしても、多少は増えるだろう、というのが普通の感覚だと思います。ですが、比例票が80万票減り、議席も減るというのは、「高齢化している」「活動能力が落ちている」といった一般的な話では説明できないものがあると考えざるを得ません。 今回は松竹問題が起きてから最初の国政選挙で、党首討論でも閉鎖性を指摘される場面がありました。特に(共産党に)近い層が離反したまま戻ってこないとか......知識人や文化人もそうです。近づいてこようとする層の足が止まった......というのが、周辺で起きていることです。私の周りでも「今回は(共産党には)入れません」「れいわに入れます」「立憲に入れます」といった人が続出しています。地域の若い幹部で中心にいた人が去ってしまうとか、そういう事例をいくつも目撃しました。やはり、除籍・除名問題に端を発した閉鎖的な体質だ、という見方が尾を引いているのではないかと思います。