首尾よく決勝トーナメント進出を決めた日大習志野 それでも気になるあのシーン
令和6年度 第103回 全国高校サッカー選手権大会千葉県大会 2次トーナメントが8日、千葉県内で行われた。Uブロックでは日大習志野が4対1で薬園台を退け、決勝トーナメント進出を決めた。 【フォトギャラリー】薬園台 vs 日大習志野 双方の狙いは共に背後のスペース。そのためロングボールの応酬となり、エアバトルの様相を呈していた。そのなか迎えた前半28分、日大習志野FW10須田虎之助(3年)のサイドからの折り返しにゴール中央FW14波多野隼(2年)が押しこんで日大習志野が先制。 薬園台は負けじと後半開始直後の1分、FW10 山田隼翔(2年)が決め、ゲームは振り出しとなった。その後、一進一退の攻防で迎えた後半20分、日大習志野、セットプレーのチャンス。キッカーFW10須田が放ったボールをDF2石関大雅(2年)が押し込み、追加点。飲水タイムを挟んだ後半23分にはドリブルを仕掛けたFW10須田が決め、3点目。さらに終盤35分にはCKの流れから、こぼれ球を拾ったFW10須田がペナルティエリア内に進入し、強烈なシュートを放って、チーム4点目を挙げ、試合を決めた。 「かっこよく言えば、いつも通りです」と殊勲のFW10須田。得意のドリブルと両足から繰り出される良質なパスやクロスで全4得点に絡む、2ゴール2アシストの活躍。違いのあるプレーを見せた。 試合を振り返ったFW10須田は「良い形で先制しましたが、2点目がすぐに取れない課題があります。今回も追いつかれてしまいましたが、失点したあとは、圧倒できました」と胸を張った。 スコアだけを見れば、一方的な日大習志野のペースに見えるが、必ずしもそうではない。薬園台は同点弾を決めたFW10山田を中心に攻勢に出て、チャンスの回数は日大習志野より少なかった印象だが、何度も決定機を演出。惜しいシーンはあったが、あと一歩が足りなかった。 その薬園台を1失点におさえたDF2石関は守備について「もうひとりのセンターバックが前に出て、自分は少し後ろで構えながら、両サイドバックが内側に入るなどDFライン全体で守ろうと意識しました」と4バックでの堅守を強調した。 そのDF2石関はセットプレーからチーム2点目を見事に決めたが、出し手のFW10須田とは中学時代に同じチームでプレーした先輩後輩の関係とあって息がピッタリ。狙い通りのゴールとなった。 首尾よく決勝トーナメント進出を決めたが、今後の試合に向け、2人が気にするのは後半開始直後に同点に追いつかれたこと。 「このままでは決勝トーナメントに勝ち進むことができません。あの時間帯で追いつかれてしまったので、もっと圧倒できるよう、より強化したい」(FW10須田) 「自分たちの甘さをしっかり克服したい(DF2石関)」 勝って良しとせず、次の試合に向け、気を引き締める両選手だった。 (文・写真=佐藤亮太)