医学部受験のプロが警鐘…合格可能性がガクッと下がる「実はNGな行為」10選【勉強・行動編】
本稿では、医学部受験専門予備校メディカ代表・亀井孝祥氏が、計10個の「実は合格可能性を下げてしまうNG行為」を勉強編・行動編に分けて紹介します。医学部のみならず他学部の受験にも役立つ情報も多々含まれていますので、ぜひご活用ください。
頑張る受験生がやりがちな「NG行為」に要注意
試験本番を目前に、いま多くの医学部受験生が最後の追い込みを行っていることでしょう。ただし、受験生がやりがちな勉強や行動の中には、実は合格可能性を自らガクッと下げてしまう「NG行為」が少なくありません。その中でも、今回は「これだけはするな」という特に要注意事項をお伝えしたいと思います。 勉強編・行動編に分けて、さっそく見ていきましょう。
これだけはするな!<勉強編>
【NG】夜型・徹夜・詰め込み型の勉強をする ⇒徹夜ばかりしすぎて、朝寝坊の癖がついてしまうなどもってのほかです。「早起きできない受験生に勝算はない」ともいわれます。本番に向けて、無理のない範囲で、早寝・早起きの習慣を身につけるように心がけましょう。 また、夜型の生活を続けた結果、「夜が一番調子いい」という状態になってしまっては意味がありません。受験当日は、長い事前説明を経て、午前9時または10時頃に始まるのが一般的です。このタイミングで頭脳がフル回転する習慣になっていないと、つまらないミスで不合格になってしまうリスクが高まります。 ほかにも、試験の前日に詰め込んで勉強をするべきではありません。難しい問題を解こうとすると、かえって緊張につながってしまうことがあります。簡単な問題に目を通したり、基礎的な問題の反復解答をしたりなど、できるだけいつもどおりの精神状態でいられるように心がけましょう。 【NG】計算式をぐちゃぐちゃに書く ⇒計算用紙は綺麗に書きましょう。そうすれば、後から戻って解くときも計算ミスを見つけやすいです。計算ミスが目立つ受験生ほど計算式を乱雑に書きがちな印象です。ぐちゃぐちゃに書いてしまうとどこで間違えたのかが見つけられず、同じミスを繰り返してしまうのです。 人間である以上、計算ミスの発生を防ぐことはできません。ですから限られた時間でどれだけ戻って修正できるかが勝負です。 今からでも遅くありません。白紙の上に計算式を整えながら書く練習をしましょう。10点上がっただけでも何十人もの受験生を追い抜くことができるので、だいぶフォローできますよ。 【NG】文字を小さく書いてしまう ⇒計算式を小さく書くと、見直しの際に支障をきたします。また、記述問題の場合では得点のチャンスを逃す可能性があります。採点者は何千枚もの解答用紙をチェックしなければならないうえに、目が良い人ばかりではありません。「読めないものは、そもそも読まない」のです。“美しい字で書きなさい”とまでは言わないので、「丁寧に書く」「大きく書く」など、相手に読んでもらうことを意識しましょう。 【NG】英語の長文問題でいきなり本文を読み始める ⇒問題後半の長文問題は配点が高い傾向にありますが、受験生からはよく「最後の問題で時間がなくなってしまった」という反省が聞かれます。これは時間配分ミスです。数学と同じように1番から解き始めると間に合わなくなる可能性があります。まずは問題文を読んで、「何を聞いているのか?」を把握してから本文読解へ移りましょう。 【NG】英語長文問題の過去問を解かない ⇒長文問題には過去問の分析が有効です(※)。なぜなら多くの大学は問題の形式が同じだからです(※ただし慶応大を除く。慶応大医学部は形式ごとガラリと変えて出題してきます)。 長文問題では本文の内容そのものが難しいことが多々あり、20代前後ではとても読まないような難しい医学部系の文献から取り上げられていることもあります。しかし、いくら知らない単語がたくさん登場したとしても、問いと答えというのは、結局その難しい単語とはあまり関係のないことも多いのです。英語長文ではこのような「見かけ上の難しさ」に惑わされないという点も大事です。 これを知らなければ本番でパニックになったり、「もうダメだ」と思考が固まってしまうかもしれません。調子を乱されてしまっては、実力の発揮は難しいでしょう。 英語が得意であっても油断することなくきちんと過去問を研究して、どの程度のレベルの文献から出題するのかということや、「自分の知らない単語が出てきても、問題を解くうえで支障はない」ということを事前に理解しておきましょう。 【NG】英作文の練習を後回しにする ⇒最後の英作文で差がついてしまうケースもあります。文法や長文はカバーできたのに、英作文が「書けない」のです。 英作文を練習していないと、日本語で考えたことをそのまま英語にしようしがちです。自分で問題のハードルを上げてしまい、時間はあるのに書けない、点数を取りに行けないという事態に陥ります。 日本語で考えたことをそっくりそのまま英文にできなくとも、「要は、自分はこういうことが言いたいのだな」と解釈をし直し、わかりやすい英語に変換できれば書き出すことができます。 また、以前ネイティブの先生から「何千枚も採点しなければならないので、意味が通ればマルをつけることにしている」と聞いたこともありました。簡単な英文でもOKなのです。最後に出題される英作文は配点が高いです。1点でも多く取れるように対策しましょう。 【NG】医療系の英単語をたくさん覚えようとする ⇒医療系の英単語をたくさん覚えようとするのも、あまり意味がないように思います。 難しい医療系の英単語があっても意外と出題内容に関係しないことは、前項『【NG】英語長文の過去問を解かない』でも述べました。 実際、生徒の中には「帰国子女だから英語は得意だけれど、単語テストを行うと医療系の難しい用語はサッパリ」という受験生たちがいますが、模試などのテストでは高得点を取っています。つまり彼らは、問いと文章の中身を直結させ、文中に紛れている専門的な英単語はわからなくとも答えを出しているということです。文章の骨格を読めていれば解けるのです。 そう考えると、医学部受験だからといって医療系の英単語を覚えることに時間を割きすぎるのは、骨折り損だと思います。基礎的な英単語を定着させる、構文を捉える力を磨く、短文を覚えるなどの方がやはり重要です。