オーストラリアの現地校での学びは大充実。一方で、日本の勉強のキャッチアップ問題も【シドニー教育移住レポート#6】
日本の勉強のキャッチアップ、どうする?
英語を学びにきた我が家ですが、この先オーストラリアでずっと過ごすか、他の国に行くか、また日本に帰るかなど先のことは今のところ決めていません。ただ、日本人として生まれてきて、日本の教育をずっと受けてきたので、日本の勉強をおろそかにするというのもやはり気が引けるのです。 そうなるとこちらの勉強に加えて、日本の勉強もしていかなければいけない気がして、結局たくさんの時間を勉強に費やしてしまっています。この現象は我が家のみならず、他の日本人ママたちとも共通の悩みで、とにかくあの手この手で勉強をさせているような状況ですね。 ◾️1.日本人として国語はマスト、漢字はとりわけ大事 当初は日本語補習校で日本語を続けて学んでもらう予定でしたが、我が家から通いやすいところは満席でウェイティング状態です。こんなことなら、もっと早くに申し込んでおけばよかった……と思いましたが、仕方がないので、日本語教師の資格を持つ私が教えています。 ただ、我が子に勉強を教えるというのは結構ストレスが溜まるもので、お互いにとって良くないような気もしています。 こちらでいただいた日本の教科書をもとに進めていますが、漢字のドリルを日本から送ってもらい、到着する間に漢字の勉強をお休みしていたら、とっても不思議な漢字を書き始めた……。これは英語を覚える分、日本語(漢字)を忘れてしまっている?という状況ですね。大人だって書かなければ忘れるわけで、子どもも同じでやはり書いて使わないとどんどん忘れていってしまうようです。こればかりは手を動かしてやってもらわなければと思っています。 また国語だけでなく、算数、理科、社会の4科目はオンライン塾でフォローしていますが、どこまでしっかりと聞けているのか不安も残ります。 ◾️2.日本よりも進み具合がゆっくりな算数は塾でフォロー 算数はこちらと日本ではやり方が全く違います。例えば九九。日本では小学校2年生の時に暗記で覚えましたが、こちらでは、暗記は一切しません。小学校6年生までに一つ一つを根拠を持って全部を学ぶようです。 算数に関しては、全体的にはオーストラリアの方が進みがゆっくりなようで、我が家は算数はフォローも含めて算数塾に通っています。我が家は期間の決まっていない滞在ですが、滞在期間がある程度決められている駐在員さんの家庭では、帰国後の受験などを見据えた日本の学習塾に通っている方が多いです。 海外にいた年数などの条件によっては帰国子女枠で受験をすることができるようですが、帰国子女枠も狭き門で、そう簡単ではないという話も聞こえてきます。やはり受験の核となるであろう、国語と算数はどんな状況になっても対応できるようにしっかりやっておきたいという方が多いようです。 このように、オーストラリアの勉強と日本の勉強、両方をこなすには時間的にも難しく、また本人たちのやる気も続かないようで、なかなか悩ましいところです。全部はできないので、取捨選択の時なのかもしれません。どこを取ってどこを捨てるか、とても悩ましいところです。 次回の連載は、9月15日にお届けします!
橋浦多美